ウガンダ

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Dr. Roselline Nyamutale, Country Director

Sasakawa Global 2000
Plot 15A Clement Hill Road
Ruth Towers, Nakasero
P.O. Box 6987
Kampala, Uganda
Email:
SAAウガンダのスタッフ一覧は、 スタッフのセクションをご覧ください。

SG2000ウガンダの歴史

SG2000ウガンダは、ウガンダ農畜水産省が、主に改良普及システムを通じて実施する政府の取り組みを支援してきました。SAAは、ウガンダの「農業近代化計画」(PMA: Plan for Modernization of Agriculture)の進展、それに続く国立農業指導機関(NAADS: National Agricultural Advisory Services)の設立に深く関わってきました。

SG2000ウガンダは24地区で開始し、272カ所の副郡で300人以上の政府の改良普及スタッフと協力して、5万以上の零細農家の発展を支援してきました。1997年から2001年までの主な開発活動としては、作物栽培実証、種子増殖、家畜けん引用機具、ポストハーベスト処理、民間小売業者を通じた投入資材供給などがあります。

SAAは2001年に農民組織(FBO)を整備し、加入メンバーに対して投入資材の供給や、作物の多様化、畜産や農産物加工事業の立ち上げ、市場とのつながりの強化などのさまざまなサービスを提供するプログラムを開始しました。12のワンストップセンター協会(OSCA: One-Stop Center Association)が設置され、各OSCAは、5,000人程度の農民がいる地区に30~40の村単位のグループで構成されました。2001年から2008年まで、SG2000ウガンダはOSCAのインフラの構築と、指導能力形成、事業の育成に重点を置いてきました。事業の育成は、種子の増殖と供給(高品質タンパク質トウモロコシ、改良型ネリカ(NERICA)米品種、落花生、キマメ)や、ポストハーベスト処理、バルク穀物販売、農産物加工を中心に行われました。

SG2000ウガンダは、1996年から2007年まではDr. Michael Fosterが、その後は2008年に暫定ディレクターに就任したEmmanuel Kayaako氏が、さらにそれぞれ2010年と2011年にカントリーディレクターに就任したDr. Sarah OsiyaとDr. Roselline Nyamutaleが指揮を執ってきました。

現行プログラムの活動・優先課題・パートナーシップ

現在のSG2000プログラムは、SAAの戦略目標に沿って、5つのテーマ分野の活動を実施しています。

農作物生産性向上(テーマ1)

このテーマの目標は、作物管理技能と専門技能、主な農学上の概念に関する知識などにおける、農民の能力を向上することにより、農業生産性を改善することです。特に女性に配慮するとともに、すべての現場研修活動は、効果性と効率性に重点が置かれています。

2010年に、SG2000ウガンダはテーマ1の活動において、8地区、19副郡で農民に技術支援を行いました。農民学習プラットフォーム(FLP: Farmer Learning Platform)で対象とする作物の選択は、農民自身の希望と、市場および食糧確保の観点を考慮して、ボトムアップ型のアプローチで行われました。2010年には、トウモロコシ、インゲンマメ、陸稲(ネリカ)、大豆、落花生、キャッサバ、サツマイモ、キビが技術オプション圃場(TOP: Technology Option Plot)と女性支援実証圃場(WAD: Women Assisted Demonstration)に採用されました。

ウガンダの技術オプション圃場(2010年)

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ウガンダの女性支援実証圃場(2010年)

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さらに1,680人の農民が、自ら投入資材を購入し、TOP技術の中から採用する技術を選んで、栽培試験圃場(PTP: Production Test Plot)で稲、トウモロコシ、落花生、大豆でさまざまな技術の導入を試みました。FLPで試した技術は、農作業の時期(植付け、除草など)や、列植、施肥など様々です。農民に加え、改良普及指導員や地元のリーダー、投入資材販売業者など、2,100人以上(うち、43%は女性)が実習公開に参加しました。

ポストハーベストと農産物加工(テーマ2)

テーマ2の活動は、収穫後のロスの減少、生産物の品質向上、市場向け生産物への付加価値付与のための技術を促進するものです。これには、農民の知識やスキルの向上や、付加価値を生み出す機材やインフラの入手が必要になります。

ウガンダでは、収穫後のロス(農家レベルで推定12~25%)を軽減することが大きな課題になっています。さらに、ウガンダの大半の零細農家には農産物加工を行う能力がないため、大部分の農産物はほとんど、あるいは全く付加価値がないまま販売されています。

2010年に、ルウェロ地区でニーズ評価調査を実施し、対象グループの集会を開き、160人の農民と6人の重要情報提供者(地区改良普及職員や地区農業担当官)から聞き取りを行いました。ニーズ評価調査では、ポストハーベストシステムの改善や農産物加工事業の促進を行う上での制約と、それに利用できるリソースを見極めることに重点が置かれました。

長期的には、農民が収穫後のロスを減らし、農産物に付加価値を付ける技術を学習するための、ポストハーベスト改良普及学習プラットフォーム(PHELP: Post-harvest Extension Learning Platform)を設立することを目標としています。現存するワンストップセンター協会(OSCA)のうち6カ所に基本的なプラットフォームがあり、今後は、約800人の農民を対象に生産後処理研修を実施できるよう強化していく予定です。

2010年には、PHELPの設立に向けた能力形成が開始され、女性20人、農民リーダー10人、改良普及指導員10人が研修指導員研修のためのワークショップに参加しました。参加者は今後、SG2000ウガンダや世界食糧計画(WFP)の「前進のための食糧購入」(P4P: Purchase for Progress)活動が実施されている地区で、さまざまなポストハーベスト・農産物加工事業について農民研修を行う予定です。

SG2000の事業が行われているすべての地区で、ポストハーベスト処理や品質管理に関する研修ワークショップに多数の農民が出席しました。約1,730人の農民が出席し、そのうち56%が女性でした。8つの地区で、さまざまな作物のポストハーベスト処理を改善するための研修と実演には、3,000人以上の農民が参加しました。

SG2000ウガンダは、引き続きJICAウガンダと協力して、ポストハーベスト・農産物加工サービスの巡回事業のパイロットテストを行っています。SAAとJICAは共同で、狭い農村道路を通り抜けられる小型トラック搭載型の移動式精米器の試験と開発促進を行っています。これは、僻地の農民が精米サービスをより簡単に、手ごろな価格で、適切な時期に利用できるようにすることを目指しています。

官民連携&市場アクセス(テーマ3)

官民パートナーシップは、農業の持続可能な発展に必要なリソース(人材、財源の両方)を活用するうえで効果的です。SG2000ウガンダは、バリューチェーンの各段階で農業を支援する分野の、さまざまなステークホルダーと協力しています。主な目的は、零細農家の農業投入資材や改良普及員指導サービスおよび市場へのアクセスを向上させることができる、パートナーシップを推進することです。

2010年にウガンダのテーマ3チームは、重要作物のバリューチェーンに沿った農民同士の協力をさらに進めていくために有効な、パートナーシップを特定し、推進することに努めました。こうした取り組みの一環として、引き続き本プログラムでは、既存のOSCAの強化と、零細農家の市場アクセスの推進を行いました。

本プログラムではまた、WFPのP4P活動との連携強化も支援しました。地元集積場が設置され、これはサテライト・マーケティングセンターと連結しており、同センターはさらに倉庫証券システムに組み込まれています。これによって、WFPのような基準の厳しい購入者にも生産物を供給できるのです。2010年にはWFPとの間で、P4P活動による農民の穀物市場へのアクセス向上に向けた覚書が調印されました。

2009年には、ウガンダ全国農業資材販売業協会(UNADA)とのパートナーシップが結ばれ、会員販売業者が適切な農業指導を行えるよう能力を強化するとともに、零細農家の顧客を念頭に製品を小分けして再梱包するよう奨励しています。この取り組みは、2010年1月の覚書で正式に承認されました。ウガンダ国内の72地区で、合計2,061の投入資材販売業者や小売業者がこの取り組みに参加しています。

SG2000ウガンダでは、零細農家による肥料など投入資材の利用を拡大するため、投入資材販売業者に働きかけ、投入資材商品を零細農家の規模と資金力に合った小容量の梱包に詰め替えてもらっています。本プログラムでは現在、UNADAなどのパートナーと連携を進めることにより、投入資材再梱包に関する国の政策への反映を目指しています。

2010年にSAAは、投入資材販売業者の「研修指導員研修」(TOT)のカリキュラムとマニュアルを作成し、これを使用して、16の地区の農業技術担当官27人に研修を実施しました。研修を受けた販売業者は、事業開始に向けた技術支援を受けるだけでなく定期的なモニタリングも受け、また、事業を拡大するための融資を受けることができます。需要者側では、推奨農法を採用した農民に対して、研修を受けた販売業者を紹介しています。

ウガンダの種子生産・供給システムは10年以上前から民間部門が担っており、多くの民間種苗会社や農業資材販売業者が、ウガンダ種子業者協会(USTA)傘下に組織されています。SG2000ウガンダはUSTAとパートナーシップを結び、種苗会社と契約栽培農家が適切な栽培方法を適用し、農家に適した梱包サイズで供給できるよう、能力の強化を図っています。種苗会社3社がSG2000ウガンダの協力企業として選定され、このうち1社(Pearl Seeds Ltd)は、TOPやWAD用の投入資材を生産しました。68人ほどの女性農民がインゲンマメの種子生産の研修を受けましたが、残念なことに、増殖圃場での生産は角斑病やうどん粉病の被害が大きく、生産高は予定の15%にとどまりました。

人材育成(テーマ4)

ウガンダのマケレレ大学は長年、SAFEプログラムのパートナーです。同大学では2009年から、通常のミドルキャリア・プログラムの通信教育用教材の作成を開始しました。この新たな教育形態は、プログラムの拡大を妨げているいくつかの問題に対処しようとするものです。その1つは、行政の地方分権により改良普及スタッフが中央省庁から地方政府に移管されて以来、ミドルキャリア・スタッフに対する授業料免除が行われなくなったことです。このため一般に改良普及員は、以前は政府が支払っていた学費を自分で納めなければならなくなりました。もう1つは、マケレレ大学が、女性改良普及員の受講率を向上させようとしていることです。通信教育は比較的費用が少なくて済むうえ、概ね大学に通学せずに修了できるため、ミドルキャリアの女性スタッフにより適したものになると期待されています。2010年には、改良普及コースの通信教育学士課程が大学評議会の承認を受けており、現在、全国高等教育協議会に認可を申請しています。

SAFEプログラムと、ウガンダの大学にてSAFEプログラムに参加した卒業生・学生数に関する詳しい情報については、「テーマ4」と「SAFE」のウェブサイトをご覧ください。

モニタリング・評価(テーマ5)

モニタリング・評価は、SG2000ウガンダの活動について、バリューチェーンに沿って評価を行い、そこからの学びを促進するものです。対象としては、SG2000の活動への投資、零細農家とサービス事業者に対する技術の普及、パートナーシップと市場アクセス、SG2000ウガンダによる活動が貧困削減や食糧確保に与える効果などがあります。

テーマ5担当コーディネーターは、ルウェロ地区でテーマ2(ポストハーベストと農産物加工)のニーズ評価を主導しました。この評価に基づいて、データ収集ツールの開発や集計員の研修、アンケートの予備調査、データの収集・入力・分析が行われました。また、テーマ5担当コーディネーターは、改良普及員や地域推進員を対象とした農閑期研修の一環として、SG2000の活動のモニタリングや報告についての研修の実施にもあたりました。

モニタリング・評価については、戦略、コンセプト、手順が開発されており、データ収集の一般的なツールや手法が整備され、必要に応じて利用できるようになっています。

SG2000ウガンダの重要な成果

  • SG2000に参加した約2万の農家が、改良された種子や肥料など、以前より優れた農業用投入資材を安定的に入手できるようになりました。
  • トウモロコシ、コメ、ソラマメの収量や生産性に、大きな効果がありました。協力農家の広さ1エーカー(4,000㎡)の畑12,000カ所で、トウモロコシの収量が、ムコノ、ムピジ、ルウェロ、ブギリ地区で、1ヘクタールあたり1.4トンから2.9トン以上に、イガンダ地区で1.3トンから2.5トンに、マサカ地区で1.6トンから3トンに増加しました。ネリカ米を栽培する協力農家では、収量が1ヘクタールあたり1.4トンから2.5トンに増加しました。ソラマメを栽培する協力農家では、収量が0.5トンから0.9トンに増加しました。
  • 貯蔵設備77カ所、乾燥場95カ所、乾燥小屋144カ所、改良型穀物蔵148カ所の建設により、零細農家の収穫後の穀物ロスが減少しました。
  • SG2000ウガンダは、世界食糧計画(WFP)の「前進のための食糧購入」(P4P)プログラムと連携して、6地区でインフラ/マーケティングセンターを整備するとともに、穀粒脱殻機やクリーナーなどのポストハーベスト/農産物加工機器を購入しました。乾燥・貯蔵設備を持つ100トン級のマーケティングセンターを2カ所、貯蔵庫を21カ所、建設しました。穀物の品質向上のため、約1,400の農家に乾燥用の防水シートを支給し、1,500人の農民にポストハーベスト処理法の研修を実施しました。
  • SG2000ウガンダは、上部農民組合7団体に対して、管轄地域内で企業育成事業を正式に登録・設立できるよう支援を行いました。これら7組合には、農民グループが314団体加盟しており、加入農民数は1万人(男女あわせて)を超えています。
  • 12カ所のOSCA設立を支援しました(日本大使館と共同で2カ所、国立農業指導機関と共同で6カ所、WFP P4Pと共同で2カ所)。
  • ウガンダ全国農業資材販売業協会(UNADA)とともに、小売業者向けの改良普及研修カリキュラムを整備しました。
  • JICAの資金提供と、国立農業研究所(NARO)との協力により、移動式精米器を導入し、地元の組み立て業者の研修を行うとともに、現場で脱穀機の試験を実施しました。2006年から、JICAの青年海外協力隊員が一部のOSCAと協力して、コメの生産、加工、マーケティングの振興にあたっています。
  • Tonnetなどの地元組み立て業者や、ナカワ国立職業訓練所(NVTI)と連携し、地元のポストハーベスト/農産物加工機器組み立て業者の研修を実施しました。
  • NAROや、東部・中部アフリカ農業研究強化協会(ASARECA)、国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT)と協力して、改良型トウモロコシ品種、特に高品質タンパク質トウモロコシ(QPM)品種やハイブリッド種の普及を図りました。
  • 国立農業研究所(NARO)や国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)、Technoserve-Kenyaと協力して、改良型キマメや落花生(serenutシリーズ)の普及を図りました。
  • JICAや国立農業研究所(NARO)、アフリカ2000ネットワーク、ウガンダ副大統領室と協力して、陸稲(ネリカ)の振興を図りました。
  • NASECOやPearl Seeds、Victoria Seeds、FICA、Grow More Seed、East African Seed Company、Mount Elgon Seedsなどの台頭しつつある民間種苗会社との協力関係を継続することにより、改良型種子の入手・利用を奨励しています。
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