ナイジェリア

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Dr. Sani Miko(カントリーディレクター)

No. 8, Kura Road,
Off Magajin Rumfa Road,
Nassarawa GRA,
Kano State, Nigeria.
Email:
SAAエチオピアのスタッフ一覧は、 スタッフのセクションをご覧ください。

SG2000ナイジェリアの歴史

SG2000ナイジェリア国別プログラムは、連邦農業・天然資源省との協定に基づき、連邦・州機関との協力により、農業生産性を向上するとともに、農作物の販売を改善するため、1992年3月に開始されました。SG2000ナイジェリアの主な目的は、作物の収量と生産性を向上するため、現場改良普及スタッフや零細農家の作物管理スキルを高めることでした。ナイジェリアの国土の大きさを考慮して、SG2000ナイジェリアは国内でも高い潜在力を持つ農業地帯である北部で活動することが合意されました。北部8州で2,000人以上の改良普及員と、100万の零細農民がプログラムに参加しました。実証圃場(当時の呼称は栽培研修圃場)が数千カ所設置され、参加農民の間に小麦、トウモロコシ、稲、ササゲ、大豆、落花生、キビ、ソルガム、ゴマ、キャッサバの改良技術が普及しました。

SG2000ナイジェリアは主として、参加各州が設立する農業開発プロジェクト(ADP: Agricultural Development Projects)と共同で活動を行ってきました。ADPは、共同で計画された現場プログラムを実施するため、州及び地区レベルのコーディネーターと改良普及員を任命しています。SG2000ナイジェリアでは、ADPスタッフの実地研修を補助し、研修を受けたADPスタッフは参加農民に対する現場研修を行って技術移転を実施します。ADPスタッフはまた、農民による投入資材の入手や、農作物の生産性に影響を与える日々の問題の解決を支援します。

SG2000ナイジェリアが直面していた主な課題としては、貧弱な種子供給システム、生産後事業の不足、多数の農民を支援するための活動拡大の必要性などがありました。ナイジェリアでの15年間のプロジェクト活動で得た経験に対する評価に基づいて、SG2000ナイジェリアでは、SAAの新戦略であるバリューチェーンベースのアプローチを採用し、2009年から、より対象範囲の広いテーマ別のアプローチを開始しました。これについては、「SAAの活動」のセクションで説明しています。

現行プログラムの優先課題・活動・パートナーシップ

SG2000ナイジェリアは、7つの州(アダマワ、バウチ、ゴンベ、ジガワ、カノ、カドナ、ザムファラ)で活動しています。活動している各州で、農業開発プロジェクト(ADP: Agricultural Development Program)が、州コーディネーター1名、及び、農民に直接指導する現場の改良普及員の数に応じて2~3名の地区コーディネーターを任命しています。カントリーディレクターは、国別プログラムを運営するとともに、テーマディレクターやスタッフと協力して、プログラムの計画立案と実施が高い水準で実現できるよう取り組みます。SAFEスタッフは、テーマ4で指導的な役割を果たします。

2009年にSG2000ナイジェリア・プログラムでは、それまでの、農作物生産性に主眼を置いた事業実施形態から、農民に対する改良普及指導サービスを強化する、より包括的なアプローチに移行しました。SG2000ナイジェリアでは、改良普及の重点を作物生産とポストハーベスト処理・貯蔵の両面における生産性向上に置きつつ、市場の需要に応えるべく、改良普及にマーケット主導型のバリューチェーン・アプローチを導入することを目指してます。

農作物生産性向上(テーマ1)

2010年には、雨期前に農業生産システムと農家のニーズを評価するため、ナイジェリアのテーマ1チームが6つの州で農家のコミュニティーを視察しました。およそ1,700人の農民(うち、40%が女性)を対象としたたこの調査の結果に基づき、11種類の作物(トウモロコシ、ソルガム、稲、キビ、小麦、ササゲ、落花生、大豆、ゴマ、トマト、コショウ)について、農民学習プラットフォーム(FLP: Farmer Learning Platform)が設立され、肥料管理や新品種の実証に重点が置かれました。

雨期の間に合計で、技術オプション圃場(TOP: Technology Option Plot)が332カ所、女性支援実証圃場(WAD: Women Assisted Demonstration)が662カ所、および栽培試験圃場(PTP: Production Test Plot)が約2,200カ所設置されました。実習公開は6つの州で開催され、6,400人の農家が参加しました。

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ポストハーベストと農産物加工(テーマ2)

2010年中に、6つの州(アダマワ、バウチ、ゴンベ、カノ、ジガワ、ザムファラ)でニーズ評価調査が実施されました。この調査の目的は、対象作物のバリューチェーンにおける加工の機会を特定することにより、ポストハーベスト事業や農産物加工事業を実施する対象を検討することです。農作物生産性とポストハーベストの穀物処理や保護を統合することが、このプログラムの最大の目標です。これを実現するためには、テーマ1とテーマ2のスタッフの間で、緊密な連携が必要になります。

テーマ2は、十分な資源がないために作物生産だけではほとんど食糧を確保できないような貧しい農民とも協力して、農場の外での職を生み出す農産物加工事業を開発しています。

SG2000ナイジェリアでは、農作物生産性向上活動の対象となっている作物に付加価値を付ける農産物加工事業の機会を、探求しています。ナイジェリアでの例としては、大豆から作る調味料の「ダダワ」や、パーボイルド・ライス、落花生油抽出、ケーキの加工製造などがあります。このようにしてSG2000ナイジェリアでは、農作物生産性向上から加工システムの改善に至る、バリューチェーンのさらなる展開を目指します。

またSG2000ナイジェリアでは、適切な生産後研修や実証プログラムの設計に役立てるため、農産物加工機器の既存のプロトタイプの実用性に関する情報や、現在使われているさまざまな貯蔵施設に関する情報の取得にも努めました。合計で31の村と、32の各種グループを代表する761人の農産物加工事業者が、調査対象となり、実際に、合計475人の農産物加工事業者(うち460人が女性)に調査を行いました。

ニーズ調査の結果に基づき、3つの州(アダマワ、ジガワ、カノ)で、農産物加工事業者を対象に研修会が実施されました。2010年3月から7月にかけて、グループダイナミックスとグループ運営に関する研修ワークショップが開催され、147人の農産物加工事業者が参加しました。また、小規模製造業者を対象にした研修会がバエロ大学カノ校(BUK)で開催され、小規模製造業者6社と大学スタッフが参加しました。その他にも、複数作物脱穀機やキャッサバ加工機、トウモロコシ脱殻機を実演するための実習公開や実演会も、多数開催されました。

SG2000ナイジェリアではさらに、民間起業家の育成を進めており、零細農家に対して機械化されたポストハーベスト処理や農産物加工サービスを提供するサービス事業者になれるよう支援しています(カドナ州、アダマワ州、ジガワ州で実施中)。

官民連携&市場アクセス(テーマ3)

農業改良普及は、長らく公的サービスの問題だと考えられてきましたが、SG2000ナイジェリアでは、長年にわたり民間の農業関連企業と連携しています。このような企業の多くは、現場活動のための投入資材を提供してきてくれましたが、中には、実証や貯蔵設備の建設、生産物の購入など特定の活動の支援まで行っているところもあります。2010年3月に開催されたステークホルダー会合には67人の参加者が出席し、資金や投入資材の入手方法について議論しました。会合において、民間企業13社からSG2000ナイジェリア・プログラムに対する支援の約束を取り付けることが出来ました。

ナイジェリアのテーマ3に関するパートナーと活動

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SG2000ナイジェリアが支援するカノ州、ジガワ州、ザムファラ州のコミュニティー契約種子栽培制度では、2010年に25.5トンの改良種子を生産することに成功しています。コミュニティーベースの種子生産業者4社と種苗会社3社が連携し、3.2トンの種子を販売しました。

A地元のパートナーシップを拡大する取り組みの一環として、2010年1月、SAAでは、アダマワ、バウチ、ゴンベ、ジガワ、カドナ、カノ、プラトー、ザムファラの8州から知事を招き、ナイジェリアにおけるSAA/SAFEの活動に対する州政府の財政支援に関する円卓会議を開きました。この歴史的会議の議長は、Murtala H. Nyakoアダマワ州知事(退役将官)が努めました。会議には数名の知事が自ら出席したほか、代理を派遣したところもありました。SAAは、これらの州に対し、パートナーシップの分担資金として、それぞれ3,000万ナイラ(20万米ドル)の拠出を求めたところ、すべての州が、SAA/SAFE活動の実施で最初の5年間にかかる費用を分担するという提案に、前向きな姿勢を示しました。

会議の後、4つの州(アダマワ、バウチ、ジガワ、ザムファラ)が費用分担に同意し、覚書に調印しました。2つの州(アダマワ、ジガワ)は、2010年12月までに拠出金の支払いを完了し、ほかにも2011年中の拠出を約束している州があります。

人材育成(テーマ4)

SAAの姉妹組織である、笹川アフリカ農業普及教育基金(SAFE)は、2004年にアフマド・ベロ大学(ABU: Ahmadu Bello University)とともに、農業改良普及のミドルキャリア学士課程を開始しました。2008年にバエロ大学カノ校(BUK: Bayero University Kano)もSAFEの活動に参加しました。このミドルキャリア向け農業改良普及学士課程は、2010年に全国大学委員会(NUC: National University Commission)によって、国家カリキュラム品質基準、教育スタッフの充実度、教材の入手可能性、入学要件などについての評価を受けました。プログラムは認可を得、現在はナイジェリアの学位授与プログラムとして認められています。

SAFEは、2010年に、アダマワ州立大学とイロリン大学のSAFEプログラムの実施能力について評価を実施しました。その結果、両大学とも、SAFEプログラムを効果的に実施できる十分な講義室、寄宿舎、その他のハード設備があり、また熱心な指導陣と質の高いスタッフがいることが分かりました。両大学ではそれぞれ2011年と2012年に、SAFEが支援する農業改良普及のミドルキャリア学士課程を開始する予定です。

SAFEプログラムと、ナイジェリアの大学にてSAFEプログラムに参加した卒業生・学生生数に関する詳しい情報については、「テーマ4」と「SAFE」のウェブサイトをご覧ください。

モニタリング・評価(テーマ5)

ナイジェリアにおける2010年のモニタリング・評価・学習・共有(MELS)活動は、その大部分が、オリエンテーション、計画立案、システム開発に重点を置いてきました。テーマ5チームでは、包括的成果指標開発や、基本データ収集手法・ツール、標準ニーズ評価ツールの開発に続いて、2011年第1四半期に実施する基礎調査計画も策定しました。

現場集計員によるデータ収集の質を確保するため、アダマワ、バウチ、ゴンベ、ジガワ、カノ、ザムファラの各州にあるテーマ1の実施箇所で、現地モニタリングが行われました。研修の改善とデータ収集方法の改良の必要性が強調されました。

SG2000ナイジェリアの重要な成果

SG2000ナイジェリアは、参加各州の改良普及サービス、及び同州の各種作物の技術移転能力に、大きな効果をもたらしてきました。具体的には、以下の効果が明らかになっています。

  • 北ナイジェリアにおけるトウモロコシの作付けは、早生品種(超早生種トウモロコシを含む)の導入と、国際熱帯農業研究所(IITA)が開発したハイブリッド品種(Oba Supa 1および2)の導入・普及により、15年前と比較して大幅に拡大しています。これによって、雨期の短い地域でも栽培が可能になりました。作物管理研修も、カドナ、カノ、カツィナ各州の広大なトウモロコシ栽培地帯に大きな変化をもたらしています。少なくとも50万ヘクタールの農地で生産され、1ヘクタールあたりの収量が15年前の1.5トンから、現在では4トン近くになっています。
  • 正式な灌漑システム及び、北部のサバンナ地帯にあるファダマ(低湿地)地域においてトウモロコシ生産が拡大し、価格が最も高い時期に市場で販売できるオフシーズン作物として、また青刈りトウモロコシとして生産されています。
  • チャド湖研究所およびザリアにあるアフマド・ベロ大学農業研究所との協力により、SG2000ナイジェリアでは、新種の小麦4品種(SERI M82(LACRIWHIT 1)、Linfen(LACRIWHIT 2)、Cietta(LACRIWHIT 3)、Attila(LACRIWHIT 4))の生産性の実証を行いました。これらの品種の実証は、共同で管理する栽培研修圃場(MTP:management training plot)を通じて実施され、現在は農家に採用されています。
  • 国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)が開発したSOSAT Millet種が、カノ、ジガワ、カツィナ各州の現場実証プログラムにより導入されました。現在この品種は、キビを栽培している州の100万ヘクタール以上で栽培されているものと推定されます。
  • アフリカ稲センター(WARDA)との協力により、SG2000ナイジェリアでは、「アフリカのための新しいコメ」ネリカ(NERICA)品種のWITA 1、WITA 4、SIPPIの実証と普及を行いました。
  • SAAが活動を行っていない州からも、州内での活動を求められることが増えており、ジガワ州とアダマワ州で農産物加工センターを6カ所設置して、作物生産実証への女性参加を大幅に増やしています。

SG2000の介入活動による作物収量の増加 (単位:トン/ヘクタール)
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