テーマ 2:ポストハーベスト&農産加工

Leonides Halos-Kim(フィリピン) テーマ・ディレクター

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詳しい情報は、 スタッフ のセクションをご参照ください。

一般に、農作物の生産性を向上するだけでは、零細農家が貧困から脱却するのに十分ではありません。農民は、一次産品に付加価値を付けるとともに、農業と農業以外の両面で所得獲得活動を多様化することも必要です。

目標

農産物の収穫後処理、貯蔵、加工を改善してロスを削減することにより、零細農家と農産物加工業者の所得と生活を向上する。

具体的目標

  1. 適切な収穫後処理と貯蔵技術の利用を推進することにより、ロスを削減し、品質と食の安全性を向上し、零細農家の食糧安全保障と収入を高める。
  2. 付加価値をもたらす農産物加工技術の研修を行う改良普及サービスのキャパシティを強化するとともに、資源の乏しい農民(特に女性)を対象に、農村での農業外ビジネスの発展を推進する。
  3. 作付けから収穫、加工、農場・市場間輸送まで、付加価値を高める機械サービスを農民に提供する、民間サービス事業者のネットワークの開発を促進する。
  4. 乾燥設備や貯蔵設備など、推奨されるポストハーベスト・農産物加工機械の供給とメンテナンスを行う民間企業のキャパシティを強化する。

 

改良普及活動の強化

研修指導員(主に相手国農業省の改良普及スタッフ)の研修は、SAAの事業において非常に重要です。研修指導員、農民、起業家に対する現場実証やキャパシティビルディングは、対象国における専門のポストハーベスト改良普及スタッフの不足を補うのに役立ちます。

こうした技術の研修や実証プログラムを実施する農民学習プラットフォームを設立するには、きちんとメンテナンスをされた必要設備が備わっていて、農民が集まってその使用法やメリットを学べるような、戦略的に配置された施設が必要になります。このような拠点には、ウガンダのワンストップセンター(OSCA: One Stop Center Association)や、マリの農民組合センター、ナイジェリア農務省の関連団体である農業開発女性組合(WIAD: Women in Agricultural Development)、エチオピアの協同組合センターなどの確立された農民組合が含まれることになります。

再評価調査を通じて特定した農業ビジネスグループを対象とした、ポストハーベスト改良普及学習プラットフォーム(PHELP: Postharvest Extension and Learning Platform)の設立は、2010年に始まりました。現在は、各種のプラットフォームに、必要な技術が備えられ、技術の利用・維持・管理は、ベーシックマネジメントコースの一貫として、参加を希望したビジネスグループに対して、実演指導されます。

ポストハーベスト処理・貯蔵技術の改善s

テーマ2のポストハーベスト処理事業の多くは、テーマ1の農作物生産性向上活動に取り組む商業志向の零細農家の競争力強化を目指しています。テーマ2のスタッフは、農民がポストハーベスト処理の効率性と質を向上できるよう支援します。具体的には、穀物の破損や病害虫の感染、ゴミなどの混入がなく、また貯蔵中にカビが生える恐れのないよう十分に乾燥できるようにします。改良普及研修プログラムでは、高品質な穀物に対する市場の要件を農民が理解できるようにします。テーマ2では、改良された(機械化された)脱穀/脱殻・乾燥・製粉/精米技術の導入を目指しています。また、収穫後の貯蔵におけるロスを減らすことは、食糧安全保障が低い農家、及び商業志向の農家、双方を含む、すべての零細農家にとっての優先課題です。

農産物加工ビジネスの育成

テーマ2は、農産物加工ビジネスグループの育成を通して、資源に乏しく、食糧が不十分な家庭が農業外の雇用機会を得られるよう、活動しています。

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エチオピアの農産物加工女性グループ

女性中心の農民グループが、地元で調達できる作物から、地元の市場や都市で販売可能な製品を生産し、農業所得を補えるよう、支援を行っています。このような加工食品は、従来の家庭でのレシピを利用して調理されていますが、家政学者が技術的アドバイスを行うことで、栄養価と(加工・包装における)衛生の改善が図られ、製品を消費者にとってより魅力的なものにしています。商品は地元でも都市でも人気が出ており、将来の農業ビジネスの発展の可能性を示しています。

SAAでは、SAA作物メニューにある作物に付加価値を付けるような農業ビジネスを、農村住民、特に女性住民が開拓するための支援にも関心を持っています。例としては、パーボイルド・ライスの生産や、落花生油の抽出、大豆調味料の生産、穀類の製粉などがあります。テーマ1で取り組む食用作物を扱う農業ビジネスに重点を置くことで、農作物生産性の向上によるメリットと、改善されたポストハーベスト処理や農産物加工によるメリットに加えて、更なる価値が生まれます。このような統合的活動こそが、SAAの新たな零細農家開発モデルのバリューチェーンが表れです。

民間サービス事業者の育成

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エチオピアの脱穀サービス業者

ポストハーベスト処理の改善に向けたSAAの戦略の1つとして、民間サービス事業者の振興を通じて、付加価値の向上につながる機械化されたサービスを農民に提供するということがあります。その好例が、エチオピアのシャシャマニにおけるテフ脱穀機の導入です。機械でテフを脱穀するのにかかる時間は、従来の手法で必要な時間と比べてごくわずかであり、より清潔で、穀粒のダメージも小さくなります。ただし動力脱穀機は、農家が個人で利用するには価格が高すぎるうえ、能力も過大です。この需要に応えるため、小規模な商業ベースの脱穀事業者数は、約200社へと急拡大しました。このような小規模民間農村ビジネスモデルは、トウモロコシの脱殻、コメの脱穀・精米、小麦粉製造にも応用できます。現在SAAでは、他の重点対象国でもこの手法を応用し、民間サービス事業者を通じて、利益を生む可能性のあるポストハーベスト技術の導入の拡大を目指しています。

ポストハーベスト・農産物加工機械の供給とメンテナンスの推進

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Groundnut sheller adopted in Mali

SAAは、ポストハーベスト処理と農産物加工において、省力化と品質改善を進めるための機械と加工技術の導入に取り組んでいます。零細農家に対して、最も妥当な費用で持続的に、適切な農業機械を供給するための戦略を策定することは、テーマ2プログラムの主要目標の一つです。テーマ2では、テーマ1の農作物生産性向上プログラムで扱う作物に関係する農業機器を特定し、検証する事業を行っており、国別プログラムに対して、そのような技術の調達方法(輸入または現地製造)を助言しています。SAAは、機械製造業者と協力して、新たな機器の開発・実証を行うとともに、サービス事業者その他のエンドユーザーを対象に研修を実施しています。また、地元製造業者が持続的かつ費用効果の高い方法で、高品質のポストハーベスト機器や農産物加工機器を製造できるよう、研修を行うとともに、適切なメンテナンスシステムの整備にも努めています。さらに、テーマ3との連携により、作物バリューチェーンに沿った市場との結び付きを見極め、付加価値を生む技術の利用を促進できるよう、各国別プログラムに対して技術支援を行っています

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