テーマ3:官民連携&市場アクセス

Juliana Rwelamira (タンザニア) テーマ・ディレクター代理

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1986年の創設以来、他組織との連携はSAAの戦略にとって極めて重要なものでした。受入国におけるSAAのアプローチの大部分は、草の根レベルで必要となる多数の現場スタッフを確保するため、農務省と連携を取ることにあります。SAAの現場活動に関与している人材の70%以上が、受入国の公務員です。一方、農業開発は、公的部門だけで十分な取り組みができるものではありません。「官民連携&市場アクセス」によって、農業改良普及の領域と影響を拡大するとともに、商業志向の農民組合が市場への参加によって利益を得るための能力を強化することができる可能性があります。

目標

改良普及の実施と、市場アクセスの拡大を通じた零細農家農業開発を支援する、官民連携を確立する。

具体的目標

  1. 1. 零細農家農業指導サービスを、より拡張性があり持続的なものとするための、収益創出モデルを策定する。これには、零細農業改良普及指導サービスの資金調達を支援するため、農業投入資材供給業者、農業サービス事業者、農民組織の協力が求められる。
  2. 2. FBOの設立を支援し、必要な情報、投入資材、融資、および市場を見つけ参入するための規模を確保できるようにする。これには、農民組織が市場需要・バリューチェーン分析を実施し、有効な事業計画を策定できるように指導することが含まれる。
  3. O3. 種子、農作物、農業投入資材分野の民間団体を対象に、投入資材供給、種子生産、作物管理、および改良普及手法に関する専門研修コースを、コスト回収できる形で企画し、提供する。
  4. 4. パートナー農民組織や起業家(特に女性や若者)に対し、新たなビジネスチャンスの仲介を行う。
  5. 5. パートナー農民組織や起業家に対する商業融資サービスを促進する。
  6. 6. SAAプロジェクトのための、新たな事業育成活動を支援する。

 

改良普及の資金調達のための新たなモデルの開発

SAAは、民間の投入資材(種子、肥料、農薬、設備)供給業者に対して、零細農家農業改良普及サービスへの資金調達を支援するよう、働きかけています。時間の経過とともに民間の投入資材サプライチェーンが強化されるにつれて、先進国で見られたのと同様に、民間業者自身が農民に改良普及サービスを提供するようになると考えられます。ただし短・中期的には、官民組織間、および農民組織との連携が必要になります。

このパートナーシップ・モデルでは、政府が基本的な食用作物に関する研究の大部分を実施し、零細農家に対する改良普及サービスの提供で主導的な役割を果たすことになります。それに対し、民間の投入資材供給業者は、現場での実証と研修プログラムを実施するための資金を支援し、農民組織は、地元(町村)での研修費や地域の改良普及補助員(CBF: Community-Based Facilitator)の報酬など、改良普及の運営費の一部に資金提供するという構想です。

農民組織の強化

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ウガンダの農民販売センターの店舗の大袋入りトウモロコシ

より有利な形で市場にアクセスすることが、農民組織を設立する主な理由です。SG2000国別プログラムでは、農民グループと商業ベースのバイヤーとの直接的な結び付きを緊密にし、参加農民が有益な契約を交渉・履行する能力を強化するための活動を積極的に行っています。テーマ3では農民組織と協力して、メンバーの農家が、生産の意思決定を行う際に市場のシグナル(価格)により敏感になり、穀物品質基準を満たすベストプラクティスを採用し、経済活動を拡大するための金融サービスを調達し、投入資材供給業者と生産物購入業者の双方に対する団体交渉能力を向上できるよう取り組んでいます。

S投入資材供給組織に対する専門研修

テーマ3の重要目標の一つは、現地農業関連企業、特に種苗業者や投入資材販売業者が、零細農家に対して適切な改良普及支援を行う意欲と能力を強化することです。SAAの重点対象国のうち、ウガンダは民間の農業資材販売業者の数が2,000社以上(地区あたり29社)と最も多くなっています。これらの企業は、指導サービスを必要とする農民にとって最初の窓口となる場合が多いものの、基本的な作物栽培法の適切な訓練を受けていないのが通常です。さらに、このような企業が販売する投入資材の梱包サイズは、零細農家用ではなく、むしろ商業規模の事業用になっているのが一般的です。

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コミュニティーベースのハイブリッド・トウモロコシ種子増殖に関して開催されたフィールド・デー(エチオピア)

SAA重点対象国における農作物生産性向上の主な制約は、脆弱な種子生産・供給システムです。重点対象4カ国には、官民両方の育種業者があります。一般に、民間部門はハイブリッド種子の生産に向かう傾向があり、自然受粉品種は農民組織やコミュニティーレベルの生産者に委ねられています。しかしながら、エチオピアの経験に見られるように、適切な研修と監督があれば、農民組織もハイブリッドの生産を扱うことが可能です。

農民組織と農業融資の橋渡し

SG2000重点対象国では、大部分の政府が零細農家に何らかの融資を提供しています。これは、エチオピア、マリ、ナイジェリアに当てはまります。通常は、0.5~1ヘクタールの農地用の生産投入資材に対する融資です。農業省/SG2000作物栽培実証プログラムに参加している農民の一部は、このような融資を受ける対象として選ばれている場合が多くあります。しかし、このような政府プログラムでは、融資受給者の数は限られています。銀行は、農民に担保がないことや、天水農業はそもそもリスクが高いことから、こうした融資を敬遠しています。一般に、大部分の零細農家は、必要な投入資材の購入資金を自前で調達せざるをえません。

SAAは、SG2000マリ・プログラムとウガンダ・プログラム、およびいくつかのプロジェクト(WFP P4PとAGRA)を通じて、在庫担保融資制度に関わっています。この制度では、穀物は保管倉庫に運ばれ、農民はその受取証を担保に、金融機関から一定の融資を受けることができます。

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