テーマ5:モニタリング評価(MELS)

Justine Wangila (Kenya), Thematic Director

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詳しい情報は、 スタッフ のセクションをご参照ください。

テーマ5の目標は、投資の効果を正しく理解し、記録する、エビデンスベースの(証拠に基づいた)組織であろうとするSAAの姿勢の表れです。

目標

SAAのエビデンスベースのプログラムを推進する、適切で効率的・効果的なモニタリング・評価・学習・共有(MELS: Monitoring, Evaluation, Learning and Sharing)システムを構築する。

具体的目標

  1. SAAにおいてエビデンスベースの報告・インパクトアセスメントを実施するため、パートナーを巻き込みながら、MELSの促進・制度化を図る。
  2. SAAの活動に優先順位を付けるため、農民、その他の対象受益者、およびパートナーのニーズを評価し、特定する。.
  3. ベースラインデータ・情報を効率的・効果的に収集し、SAAの活動に活用する。
  4. 特定のSAA活動地域からのモニタリングデータ・情報を、継続的かつ体系的に収集、分析、活用し、報告する。
  5. パフォーマンス(妥当性、効率性、有効性、インパクト、持続可能性)を評価し、意思決定の指針とするための、定期的な外部・内部評価のための適切な戦略を策定し、実行する。
  6. SAAのプログラムやプロジェクトが、重点対象4カ国の零細農家やパートナー、農業開発に与えるインパクトを測定・評価するための、適切な手法とツールを開発し、活用する。
  7. SAAの活動に関するグッドプラクティスと学びを特定、把握、文書化、共有する。

 

背景

SAAは、25年の歴史の大半において、プログラム活動の正式なモニタリング・評価を行ってきませんでした。対象15カ国でプログラム活動を開始した際も、ベースラインデータの収集は行われませんでしたし、300万カ所以上の圃場で実証された技術の採用率や採用パターンに関しても、専門的な調査は実施されていません。外部機関によるプログラムレビューはこれまでに4件実施されたものの、プログラム活動やそのインパクトに関する組織的なデータがなかったため、こうしたレビューも概して定性的なものとなっています。

これは、SG2000プログラムが零細農家の農作物生産性や総生産量に何のインパクトも与えなかったということではありません。実際に効果はありました。それどころか、SG2000スタッフが農場で農民と共に多くの時間を過ごしながら、成果を振り返り、推奨技術の農業的な有効性を評価していたことは、伝説にもなっていたほどです。しかし、系統的なモニタリング、評価、学習、共有(MELS)システムが欠けていたことは組織的な弱点であり、SAAの投資の全体的効果を低下させたり、SAAプログラムが国際開発関係者の中で持つ影響力を弱めたりする原因となっていました。

SAA/CIMMYT インパクトアセスメントプロジェクト

SAAが本格的なMELSプログラムの確立に着手したのは、2006年にSAAの重点対象2カ国(ウガンダ、エチオピア)にて、「SAAとパートナーの活動のインパクトをモニタリング・評価するナレッジ・システム」という名称のプロジェクトを開始した時です。同プロジェクトは、日本財団が国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT)に資金提供し、CIMMYTが実施したものです。

CIMMYTプロジェクトでは、社会科学者、エコノミスト、地理情報システム(GIS)専門家からなるチームを採用し、SAA/SG2000の活動が零細農家の生活に与えるインパクトを評価しました。これは、直接的影響と間接的影響、プラスの影響とマイナスの影響、意図的影響と非意図的影響の両方を対象とするものでした。現地の非参加者やNGO、民間部門、現地の開発活動や政策などに対する波及効果についても、評価が行われました。

このプロジェクトの結果と、そこから明らかになった政策的意味については、ワークショップや出版物を通じて、またプロジェクトのウェブサイト (http://sg2000ia.cimmyt.org)上で公開されています。このサイトでは、20件以上の専門的な経済レポート(国際的な査読付学術誌に掲載された論文の草稿も含む)も閲覧できます。このプロジェクトは2010年に終了しました。

インパクトアセスメントプロジェクトから、今後へ

SAAは、適切で効率的・効果的なモニタリング・評価・学習・共有(MELS)システムを構築し、すべての投資(コアドナー及びエクストラコアドナーよるものの両方)のインパクトと有効性を記録するため、テーマ5を設定しました。この目的を達成するため、テーマ5では他のSAAテーマやSG2000国別プログラムと連携して、SAAのMELSシステムを実施しています。MELSテーマにおける興味深い課題は、MELSを、他のテーマがそれぞれ固有の目標を達成できるようにするために不可欠なサービスとして、SAAの全スタッフへ周知徹底させ、受入れさせることです。ここには、MELSがSAAの警察官と見なされるようになる危険性があります。

MELSシステムが目指しているのは、提案された技術や活動の速やかな評価を実現することや、重要情報の管理、SAA投資の変更がある際のタイムリーな通知、また経時的に収集したデータや情報をもとに、活動やパートナーのパフォーマンスを追跡し、記録すること等なのです。

学習と共有

SAAが現場でSG2000の活動を実施する際に、そこでの課題、問題、失敗、成功、ベストプラクティスから学ぶ教訓があり、これを共有する必要があります。そもそも、誰がグッドプラクティスやベストプラクティスを定義したり判断したりするのかという問いがあるため、ベストプラクティスを定義することは困難です。この問題に対して、SAAは、教訓やプラクティスをどのように収集、検証、蓄積、分析すべきかを示す学習と共有の枠組み、つまり教訓とベストプラクティスの把握を容易にし、モニタリング・評価の結果に基づくベストプラクティスの採用を推進する枠組みを、制度化することで取り組んでいきます。同様に、成果や教訓をできる限り速やかに共有することも、効率的なプログラム管理や効果の実現にとって重要です。

学習と共有のために、SAAではさまざまなアプローチを活用していきます。これには、アニュアルレポート、ワークショップ、研修教材、ニュースレター、ブログ、ドキュメンタリー・ビデオ、ラジオ番組、ワーキング・ペーパー、学術論文、書籍、政策提言・声明、会議等での発表、隔年で開催される「ボーローグ・シンポジウム」などが含まれます。情報通信技術(ICT)がSAAの学習・共有プロセスの推進力となり、SAAのウェブサイトが、私たちの戦略において重要な、情報クリアリングハウスとなります。

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