マリ

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Dr. Abou Berthe (カントリーディレクター)

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Cell: (00223)-76-46-35-74 or (00223)-65-90-6337
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SG2000マリの歴史

マリでは、「笹川グローバル2000プログラム」は1996年6月に開始されました。プログラムの開始から2010年まで、Dr. Marcel Galibaがカントリーディレクターを務めました。農務省との間で覚書が交わされ、パートナーシップが締結されました。運営方法はシンプルなもので、外国人スタッフ1人と、少数の現地スタッフが、全国レベル・地域レベルで活動する農務省の改良普及員を支援する形で、プログラムが運営されていました。

SG2000マリのビジョンは、現代的で科学的な農業を活用して食糧安全保障を向上し、進歩的な小規模商業農家の経済発展に貢献することでした。当初、SG2000マリ・プログラムの焦点は、主に農作物生産性と生産量の向上に当てられていましたが、2006年に、食糧生産バリューチェーンに沿ってシナジーを生み出すことにフォーカスが移りました。SG2000マリのスタッフは農民と協力して、農民組織(FBO: Farmer-based organization)を編成し、加入メンバーに対するさまざまなサービスの提供(投入資材の納入から、ポストハーベスト処理・貯蔵、農産物加工、農産物の商業販売まで)に努めました。

現行プログラムの優先課題・活動・パートナーシップ

SG2000マリは、農務省とのパートナーシップのもと、2009年から2013年までの計画を策定しました。この重点計画は、新たなSAAストラテジック・プラン(2012~2016年)に合わせてさらに具体化され、その範囲は拡大されました。同ストラテジック・プランは、バリューチェーンのより広範な展開を目指しており、活発なモニタリング・評価・学習・共有プログラムを含んでいます。

SG2000マリの目標は、二本立ての戦略によって零細農家の食糧安全保障を達成することです。一方の戦略は、商業的農業と農村経済の発展を加速することです。もう一方の戦略は、食糧を自給する体力・財力のない人々に食糧を供給する、セーフティーネット・プログラムです。

SG2000マリの優先課題は、「成長・貧困削減戦略計画」や、「ミレニアム開発目標」、「経済・社会開発プログラム」など、国内の農業開発政策と足並みを揃えたものとなっています。現在、活動が実施されているのは、4つの地域(クリコロ、シカソ、セグー、モプティ)の13サークル、55コミュニティー、136村です。

SG2000マリのプログラムは、公的機関(マリ全国農業事務局、国立農業研究システム/農村経済研究所、マリ農業教育・応用研究技術大学)や、国際機関(国際半乾燥熱帯作物研究所、世界食糧計画、国際ソルガム・ヒエ共同研究支援プログラム、アフリカ緑の革命のための同盟、国際農業開発基金/仏国際農業研究協力センター)、民間組織(投入資材供給業者や農産物加工業者)、市民社会団体(農民組織協会、農民組織、農村開発委員会、 マリ農業会議所常任会議)等との戦略的なパートナーシップによって実施されています。マリの中心的な公的改良普及機関である全国農業事務局(DNA: Directorate of National Agriculture)は、技術オプション圃場(TOP: Technology Option Plot)や女性支援実証圃場(WAD: Women Assisted demonstration)での技術実証の実施において、SG2000マリとパートナーシップを組んでいます。農民の参加を確保するため、農村開発委員会や農民組織を通じて適切な農業技術に対するニーズを特定するとともに、TOPやWADの実施においては、公的機関の改良普及員や、農民から選ばれた村の改良普及員が技術支援を行っています。

農村経済研究所(IER: Institute of Economie Rurale)などの国立農業研究システム、および国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)やアフリカ稲センター(WARDA)などの国際農業研究協議グループ(CGIAR)とのパートナーシップにより、改良された農業技術や技術革新にアクセスが可能になっています。

SG2000マリはまた、零細農家が生産資材を入手し、市場に出荷しやすくするため、国際ソルガム・ヒエ共同研究支援プログラム(INTSORMIL)やさまざまな農業資材販売業者、農産物加工業者組合、農民組織と連携しています。さらに2009年からは、世界食糧計画(WFP)の「前進のための食糧購入」(P4P: Purchase For Progress)の取り組みと連携し、脆弱な零細農家がマーケットにアクセスできるよう、取り組んでいます。

SG2000マリは、農業会議所常任会議のリーダーシップのもと、さまざまなパートナーと協力して、2005年に発足した、全国農産物商品年次取引所の組織化を進めています。

現在のSG2000マリ・プログラムは、SAAの戦略目標に沿って、5つのテーマ分野で構成されています。

農作物生産性向上(テーマ1)

マリのテーマ1チームは、村やコミュニティー・レベルで農民学習プラットフォーム(FLP: Farmer Learning Platform)を導入しています。各FLPは、平均3つの技術オプション圃場(TOP)と、3つの女性支援実証圃場(WAD)という女性農民専用の圃場で構成されています。

2010年には、4つの行政区内の100村で、合計300カ所のTOPとWADが設置されました。そこでは、6種類の作物(キビ、ソルガム、トウモロコシ、稲、落花生、ササゲ)の改良品種や、異なる技術的オプション(さまざまな肥料のタイプや施肥量、土壌肥沃度改良、ストライガ駆除、間作)の実証が行われました。TOPやWADで実証された各種技術オプションは、下図のとおりです。一般にTOPで達成した重点作物の平均収量は、同作物の全国平均収量より高く、目覚しい便益費用比率が達成されました。

マリのTOPで実証された技術オプション

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ポストハーベストと農産物加工(テーマ2)

マリ国内でのポストハーベストのニーズと優先課題は、農村の生計システムによって異なります。2009年、マリのテーマ2チームは、最適な活動を特定するため、ポストハーベスト・ニーズアセスメントを実施し、この調査から多くのことが明らかになりました。加工の可能性が最も高い作物としては、ササゲ(サヘル帯)や、トウモロコシとコメ(スーダン帯)があります。これら、およびその他の作物の加工を改善していくには、より進んだ加工機器(複数穀物脱穀機や改良型トウモロコシ脱殻機)が必要です。

この調査に基づいて、2010年の活動では、加工機械製造業者や女性グループに対する研修の実施に重点が置かれました。12月に地元の製造業者が、刈取り機や多目的クリーナーの設計について3週間の研修を受けました。研修コース中、参加者はサラム・センターから送られたプロトタイプをベースに、多目的刈取り機や穀物クリーナーの製造、試験を行いました。

収穫後の品質面と数量面でのロスは、全国レベル、地域レベルで新たな市場機会を開拓するうえでの課題となっています。シカソ地域とセグー地域の3つの村の女性グループが、基本的なポストハーベスト作業と地元の主要穀物の前処理に関する研修会に参加しました。

官民連携&市場アクセス(テーマ3)

SG2000マリでは、農民による種苗会社に開業資金・拡張資金を提供することで、その発展を支援してきました。現在このような会社としては、Selinkegny村とOuré村で2社が営業を行っています。Selinkegnyでは、2007~2010年の間にトウモロコシと稲の種子が4,840トン生産・販売され、Ouréでは種子生産が、2001年の1,311トンから2010年には31,931トンに拡大しました。

民間企業を農業改良普及に取り込んだ別の取り組みとして、民間企業3社(Faso Kaba、TOGUNA、Arc-en-Ciel )が、それぞれ種子、肥料、農薬の実証を支援しています。

2009年からSG2000マリでは、世界食糧計画(WFP)と協力して、WFPの「前進のための食糧購入」(P4P)の取り組みに対する地元生産品の供給を推進しています。2010年には、38の村が選ばれ、P4Pに参加しました。農民組織(FBO)の加入メンバーが、農作業、貯蔵、包装、経営、マーケティング技術の訓練を受けました。品質を確保し、生産品のトレーサビリティーを推進するため、プレミアム価格を保証しています。

マリでは、2010年に6つのFBOがP4Pに参加しました。計画値に対して、キビは85%、ソルガムは97%を供給し、総売上高は約17万米ドルでした。

マリでP4Pに基づいてWFPに供給された農産物(2010年)

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SG2000マリはさらに、アフリカ緑の革命のための同盟(AGRA)/農村経済研究所(IER)の資金により2009年に始まった「少量施肥プロジェクト」のパートナーでもあります。2010年には、プロジェクトの一環として、963カ所の少量施肥実証圃場と20の農民現場学校が設置されました。

人材育成(テーマ4)

マリの農業教育・応用研究技術大学(IPR/IFRA)の学位プログラムと、サマンコ農業大学のディプロマプログラムでは、入学者数や卒業者数の持続的な増加、学生の監督事業プロジェクト(SEP: Supervised Enterprise Project)を通じた農村コミュニティーへの支援の点で、着実な成果を上げています。農務省は引き続きこのプログラムに取り組んでおり、SEPを支援するための予算規定が確立されています。

IPR/IFRAの学位プログラムについては、カナダ研究センター(CECI: Centre  for International Studies and Cooperation)の資金援助を受けて、外部評価も実施されました。この結果は、マリおよびブルキナファソ担当の技術コーディネーターであるDr. Assa Kanteが『マリにおける笹川アフリカ農業普及教育基金(SAFE)の教育プログラムの評価:卒業生の教育効果に対する認識、および監督事業プロジェクト(SEP)に関する機会と制約』というテーマで執筆した博士論文での見解と一致していました。

いずれの研究においても、学生と卒業生は教育プログラムに満足しており、プログラムを通じて改良普及員がその分野における有能な専門家になっている、という結論が得られました。このコースの卒業生の主な就職先である農務省も、教育に満足しています。ただし卒業生からは、カリキュラムの中により幅広い分野、例えばポストハーベスト加工や、マーケティング、農企業の経営、マイクロファイナンス、農村の貧しい女性に関する問題などを取り入れるよう、強く勧める声が出ています。

SAFEプログラムと、マリの大学のにてSAFEプログラムに参加した卒業生・学生数に関する詳しい情報については、「テーマ4」と「SAFE」のウェブサイトをご覧ください。

モニタリング・評価(テーマ5)

マリにおいて、2010年はME&L(モニタリング・評価・学習)のチーム形成の年であるとともに、マリ国内における他のテーマやパートナーに対する支援の年でもありました。ME&Lチームの主導により、WFPのP4Pの全てのプログラムパートナーを対象にモニタリング・評価活動が実施され、提携村落においてP4P活動をモニタリングし、現場データを収集するための現場エージェントが採用されました。2010年9月15日から17日まで、ベースライン調査集計員と監督員が調査機器に精通して理解できるように、研修が実施されました。

SG2000マリの重要な成果

1996年の開始以来、マリでは食糧生産の改善において大きく前進しています。SG2000マリが同国で活動した15年の間に、穀物の総生産量は倍増しました。SG2000の重点作物であるトウモロコシでは、生産量が3倍以上になっています。また、コメの生産量もほぼ3倍になっています。小麦生産は、開始時点の生産量がきわめて少なかったものの、5倍近くになっています。

プログラムにおけるその他の重要な成果としては、次のものがあります。

  • 農務省が全国農業事務局(DNA)を通じて利用する、零細農家ベースの参加型改良普及アプローチの開発
  • 参加型作物技術実証圃場を通じて、2万1,000人以上の生産者を支援
  • 1996年から2005年までに、2万7,000カ所の実証圃場
  • 主要作物の大幅な生産増加(表参照)

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  • 多機能農業サービスセンターを29カ所設置
  • 地元製造業者を対象としたポストハーベスト機器製造の研修
  • 改良型ポストハーベスト技術の実証(脱穀、クリーニング、貯蔵/保存)
  • キビやソルガム生産者や農産物加工業者などを取り込んだ、請負栽培農家モデルの構築
  • 全国農産物商品取引所の推進
  • 全国種子取引所の推進
  • 農民による種苗生産企業のモデル開発
  • 村落を拠点とした食用商品貯蔵システムの推進
  • 投入資材供給業者や、機関購買者(P4P)、農産物加工業者とのパートナーシップを通じた、キビ/ソルガム生産者組合の協同マーケティングや生産投入資材購入
  • 農民組織(FBO)の推進
  • 農民や改良普及員の研修
  • 地域推進員(CBF)モデルの公共改良普及システムへの統合
  • 中堅改良普及スタッフの研修
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