お仕事インタビュー ~SAAのスタッフに聞いてみました~【プログラム・オフィサー編】

2024年12月24日
エチオピアにて、SAA現地スタッフ及び農業普及員と写る綿貫さん(左から2番目)
エチオピアにて、SAA現地スタッフ及び農業普及員と写る綿貫さん(左から2番目)

SAAってどんなところ?入職動機や仕事内容について、職員にざっくばらん聞いてみました!
第4回目は、東京本部の事業部でプログラム・オフィサーを務める綿貫さんです。
 

Q1. SAAに入社する前は何をされていましたか?

JICA青年海外協力隊でベナン共和国に派遣され、農業分野で活動していました。具体的には、SHEPアプローチを現地の状況に合わせてカスタマイズして、野菜農家グループとともに収入向上プロジェクトを実施しました。協力隊の任期満了後も単身でベナンに戻り、より多くの野菜農家のサポートを継続し、一人でも多くの自立した農家を増やすために会社を立ち上げました。農村部で野菜を購入して都市部にまとめて配送し、都市部にある実店舗の販売と配達を行うほか、農家の圃場への訪問、コンポストや自然由来の農薬の作り方の指導なども定期的に実施していました。協力隊で2年、そして農業関連ビジネスの経営者として3年と、ずっとアフリカの農業に携わってきました。

Q2. SAAにジョインした理由を教えてください

ベナンで生活する中でライフステージの変化があり、日本を拠点にするために就職先を探していたところ、SAAの求人を見つけました。
ベナンでは農家をサポートするため会社を経営していましたが、取引先の農家の規模拡大に限界を感じており、また、ある程度の資金力や技術力を持った農家としか取引ができないという現状がありました。そこで、より多くの、そしてより貧困に苦しんでいる小規模農家を支援したいと考え、SAAにジョインしました。

Q3. 今はどんなお仕事をしていますか?現地出張では何をするのですか?

エチオピアの国担当として、エチオピアにおける事業の実施管理をメインに行っています。現地スタッフができるだけスムーズに農業普及活動ができるように、現地に寄り添いながら、本部として現地事務所のサポートをしています。また、国別の業務だけではなく、横断的なタスクチームとして、市場志向型農業(MOA) やモニタリング・評価のタスクチームの管理やサポートも行っています。
現地出張では、主に3つのことを意識しています。
①現場:現地出張は、現場で何が起こっているのか、何に困っているのかなどを直に聞くことができる機会なので、とにかく現場の声に耳を傾けるようにしています。
②コミュニケーション:農家はもちろんのこと、SAAとともに働いてくれている農業普及員や政府関係者、SAAの現地スタッフと積極的にコミュニケーションをとるようにしています。
③コネクション:現地の在外公館やJICA事務所、日本人起業家など、日本人だからこそ、自分だからこそつながることができるコネクションを大切にしています。

フィールドで農家の方と

Q4. SAAでのやりがい、難しさなどを教えてください

やはり、小規模農家の方々にポジティブなインパクトを与えられている実感があったときにやりがいを感じます。エチオピア出張時、裏庭にパーマガーデン (家の周りに設置する常設の小規模菜園)設置の支援をした農家さんの自宅を訪問した際に、「SAAのおかげで暮らしが豊かになった。本当に感謝している。お願いだから庭の畑でとれたご飯を食べていってくれ。」とお願いされたことがありました。あいにくスケジュールの都合でいただくことはできませんでしたが、農家さんのお気持ちに胸を打たれました。
難しさという点では、東京事務所がまだまだ「新しい」組織であるということでしょうか。SAAは、アフリカの小規模農家支援を始めて35年以上の歴史を持ちますが、長年、現地主導で事業が実施されていたので、東京事務所が果たす役割は限られており、事務所の職員数も数名でした。東京本部が、総務人事・経理・事業の観点から現地事務所をしっかりと統括する今の組織体制になってから、まだ年数が経っていません。組織が大きくなってきている今、ルール作りや組織体制といった観点からは、まだまだ成長・改善の余地があると思っています。難しさはありますが、一方でそれが楽しさでもあるので、この環境を楽しみながらやっていきたいと思っています。

パーマガーデンを設置した女性農家の方と

Q5. 組織風土、働きやすさについて教えてください

まず前提として、SAAの東京本部では15名程度の日本人職員がおり、4カ国の現地事務所には約150名の現地人職員が在席しています。また、現地人の所長が現地事務所のトップを務めています。東京本部は基本的に現地の自律性、主体性を尊重しています。日本人が外から入って、いきなりアフリカの農家の方々に指導するのではなく、農家の言葉、生活、状況をよく理解している現地人スタッフが、農業の知識やスキルを活かしながら普及活動をしていくことに重きをおいています。
東京本部は家庭を持っている職員が多いこともあり、とてもワークライフバランスを重視していると思います。フレックスタイムやリモートワークも活用することができるので、プライベートとの両立がしやすいと思います。

Q6. SAAで挑戦してみたいこと、実現したいことはありますか?

3つのことに挑戦したいと考えています。まずは自分の強みであるビジネスの知見を活かし、一人でも多くの農家の所得を向上させたいということ。また、環境再生型農業のような、世界的に注目されている農業分野のトレンドを、現場レベルに落とし込んでいくということ。最後に、思い入れのあるベナンでいつか新規プロジェクトを立ち上げて、SAAを通じてベナンの小規模農家にポジティブなインパクトを与えられるようなプロジェクトを主導するということです。

Q7. SAAへの応募を考えている方に、一言お願いします!

SAAは、現地の農家に寄り添いながら、環境再生型農業の普及や最先端の農業技術を持ったスタートアップ企業とのコラボにも挑戦している、チャレンジ精神あふれる組織です。
現在、全世界でフードシステムの重要性が注目されています。その中でも、アフリカの小規模農家は間違いなくカギを握る存在です。全世界のフードシステムに影響を与えるかもしれない大きな仕事ができると考えると、とてもやりがいのある仕事だと思いませんか?アフリカに関わりたい方、小規模農家の支援に興味がある方からのご応募をお待ちしています!
 


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