キャパシティ・ビルディング
SAAの活動は全て、人(農家、普及員、農業ビジネス関係者など)や組織(農家組織、農業大学、農業普及システム全体)に対するキャパシティ・ビルディングであるといえます。それらは研修、改良技術のデモンストレーション、ワークショップといった形で実施されています。
ソルガムを保存するための密封式貯蔵タンクのデモンストレーション(マリ)
農業大学における普及員の人材育成
SAAの活動は、主に農家や農家組織のリーダー、普及員に対する現場での研修が中心ですが、そうした現場での活動に加え、現場の最前線で働いてきた中堅普及員が再び学び、学士や修士号を得てキャリアをステップアップする場も提供しています。
具体的には、現地の大学農学部や農業大学と提携し、農業普及員が、新たな知識やスキルを得るための実践的なカリキュラムを提供しています。カリキュラムづくりにおいては、気候変動対応型農業やジェンダー、栄養に関する講座を取り込むようにするなど、最新の農業支援を取り巻く課題について農業普及員が学べるような設計となっています。
この事業は、姉妹組織だった笹川アフリカ農業普及教育基金(SAFE:Sasakawa Africa Fund for Extension education)が1991年から行ってきましたが、2018年に事業統合され、SAAが継承しています。現在では11か国31大学と提携し、「SAFEプログラム」として実施されています。2022年の時点で、6700名を超える学生(普及員)が学位を取得し、2000名を超える学生が現在学んでいます。
SAFEプログラムでは、最新の情報や技術を、農家が理解し実践するのに適した分かりやすい教材やモジュールを制作しています。学生(普及員)はその教材を用いつつ、農家への効果的な指導法を学びます。また、「事業改善プロジェクト(SEP)」と呼ばれる、農村コミュニティの抱える課題解決を目的とする実践研究が卒業のための必須課題となっており、このSEPを通じて、実践的な指導方法を学びます。
SAFEプログラムは、学生(普及員)へのキャパシティ・ビルディングであると同時に、SAAによる実践的なカリキュラムの提供を通じて、現地の関連大学に対するキャパシティ・ビルディングという重要な役割も果たしています。
現地からの声
“本当に感謝しています。” 笹川アフリカ農業普及教育基金(SAFE)の第一期生、ドロシー・アニマ・エファさんのサクセスストーリー
1993年に開始したSAFEの第一期生の一人であるガーナのジョセフ・クウェシ・サーポンさんより提供されました。
SAAが1992年に実施した調査によると、ガーナでは現場の最前線にいる農業普及員の...
SAA 出版物のご紹介
E-ニュースレター
"Walking with the Farmer"
SAAの活動動向をレポートしたE-ニュースレターを隔月で発行しています。
E-ニュースレターの日本語翻訳版(PDF)はE-ライブラリーでご覧いただけます。
サクセスストーリー
Voices from the Field Special Edition 2022
「現地からの声」の記事を特別編集版としてまとめました。