「農業改良普及活動~世界の現状と各国のパフォーマンス」(2020年, IFPRI刊行)邦訳版制作のお知らせ
途上国における農業、特に小規模農家の発展には、普及活動が重要なことは論を俟ちません。しかし、途上国政府の財政改革の一環として(構造調整政策など)、農業普及そのものが非効率と考えられて、普及システムが縮小、予算が大幅に削減された時期がありました。一方で、近年、農業普及は、公的普及員だけでなく、村落内に農業普及の役割を自ら担う農家が現れたり、スマホアプリにより、オンラインでの農業資材の購入や生産物の販売が可能となったりと、現場では新たに多様な普及活動が展開されています。
しかしながら、農業開発の専門家においても世界で進行している多様で多元的な農業普及の実態を把握するのはなかなか難しい作業です。そういうなかで、国際食料政策研究所(IFPRI)が “Agricultural Extension - Global Status and Performance in Selected Countries”(2020)を発刊しました。内容は途上国の農業開発に関わる専門家のみならず、途上国農業に関心がある皆様にも大変有益なものと考えられますので、IFPRIの了解を得て、第1部と第2部9章を翻訳しました。訳文がこなれていない箇所もあるかと存じますが、専門家の皆様には直接原文にあたっていただければ幸いです。また、第2部の各国編(ブラジル、ウガンダ、エチオピア、マラウイ、コンゴ民主共和国)に興味をお持ちの方も、ぜひ原文にあたっていただければと思います。
なお、本書翻訳の監修にあたり、日本財団参与の板垣啓四郎氏(東京農業大学名誉教授)のご支援をいただきました。感謝申し上げます。
邦訳版「農業改良普及活動 - 世界の現状と各国のパフォーマンス」
原文(英語) “Agricultural Extension - Global Status and Performance in Selected Countries”
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