【活動報告】小さな農地から広がる大きな変化:エチオピア農村で進むパーマガーデニングによる生計と栄養の改善
エチオピアのアナソラ、ネゲレアルシ、アンガチャ郡では、多くの農家世帯が不安定な農業環境の中で暮らしていました。しかし現在では、ササカワ・アフリカ財団(SAA)エチオピア事務所が推進するパーマガーデニング(持続可能な家庭菜園)を通じて、わずか92㎡ほどの裏庭の小さな農園でも、農家の暮らしを変える取り組みが広がっています。
家庭の小さな取り組みとして始まったものが、今では各家庭の生産性、栄養改善、収入向上を支える実践的な解決策へと発展しています。
農家たちは、パーマガーデンの研修を通じて、雨水の管理、有機物による土壌の肥沃化、家庭ごみの堆肥化など、限られた資源をより有効に活用する方法を学びました。作物の多様化を図り、栄養価の高い食品の生産量を増やすことで、食生活の質を高めるとともに、地域社会のレジリエンス向上にも貢献しています。
その成果は大きなものとなっています。参加農家の97%以上が知識を向上させ、92%が有機肥料を導入しました。また、生産コストは3.1米ドルから1.28米ドルへと、半分以上削減されました。2024年には、農家は高付加価値農産物72kgを、1kgあたり平均0.41米ドルで販売し、平均14米ドルの利益を得ることができました。また、約76%の農家が市場へのアクセスを獲得し、小規模な生産活動を安定した収入源へと発展させています。
パーマカルチャーの導入は、所得の増加だけでなく、各家庭の栄養状態も改善しました。食事の多様性が高い世帯の割合は、55%から71%へ増加し、食料消費が不十分な世帯の割合は19%から8%へと低下しました、これは、食料消費スコア(Food Consumption Score)の改善にも表れています。
現在、農家の95%が多様な食生活の重要性を認識しており、その知識を日常生活に活かしています。
パーマガーディングの取り組みは、家庭内の力関係の変化にも影響を与えています。意思決定における女性の参加が増え、60%の世帯がパーマガーディングに関する事項は「夫婦で共同で決定している」と回答しています。特に女性の自身が向上し、収入の使途や生産に関する選択において、より大きな役割を果たすようになっています。
参加者の99%が今後も取り組みを継続する意向を示しており、パーマガーデニングは、わずかな空間であっても収入向上、栄養改善、レジリエンス強化につながることを示しています。小さな取り組みから、より安定した生計の実現に向けた、シンプルでありながら大きな可能性を持つ道筋が生まれています。
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