【農家のストーリー】気密貯蔵技術がマリの農家のポストハーベストロス削減に貢献
ディディエニ地域の多くの農家にとって、収穫後の穀物を適切に保管することは、生産と同等に重要な課題です。害虫の発生や湿気による品質劣化、不十分な貯蔵環境は、家庭の食料確保だけでなく、農産物の販売による収入にも大きな影響を及ぼします。こうした課題に対応するため、ササカワ・アフリカ財団(SAA)マリ事務所は、密閉式タンクやPICSバッグ(気密貯蔵袋)を活用したトウモロコシとソルガムの気密貯蔵技術について、実技を交えた研修を実施しました。
気密ドラム缶を用いたトウモロコシの貯蔵方法を学ぶ様子。農家は、実際に気密ドラム缶で保存された穀物の状態を確認し、その技術の効果を体験しました。貯蔵時に害虫が確認されていたソルガムの保存状態を確認したところ、生きた害虫は確認されず、気密貯蔵技術の高い有効性が実証されました。また、湿気による品質劣化も確認されませんでした。
参加した農家は、この技術への高い期待を寄せています。ササゲを栽培するサナバ・ディアラさんは、薬剤を使用することなく穀物を保存できるようになり、家庭の食の安心と安全の向上、収入の安定につながったと話しました。
また、村長は、貯蔵技術の改善によって、農家がより有利な条件で農産物を販売できるようになり、ササゲ2トン、トウモロコシ10トン、ソルガム5トンを販売したと紹介しました。
こうした活動の成果として、同地域の収穫後処理・取引センターにおける気密貯蔵技術の導入率は、2024年の46%から2025年には約53%へと向上しました。農家からは、収穫物を最大6か月間安全に保存できるようになり、害虫や湿気による損失を抑えながら、市場価格がより有利な時期を選んで販売できるようになったとの声が聞かれました。
SAA職員が、PICSバッグの使用方法を実演する様子。この取り組みは、収穫後ロスの削減にとどまらず、農家のレジリエンスと販売交渉力の向上にもつながっています。参加者からは、年間を通じた食料の確保が容易になったことに加え、収穫直後に安値で売却する必要が減ったとの声も寄せられています。
地域で導入しやすいシンプルな技術のおかげで、収穫後ロスの改善し、収入の安定と食料安全保障の強化に貢献しています。マリ国内をはじめ、同様の農業地域において気密貯蔵技術のさらなる普及を通じた展開が期待されます。
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