【活動報告】ウガンダにおける灌漑・機械化研修で気候レジリエンスを推進
2025年4月23日、SAAウガンダ事務所は、ビジネス型コミュニティ普及員(CCBFs)を対象に、気候変動に強い農業と小規模農家の持続可能な変革をテーマとする研修を実施しました。
研修には、Tulima Solar、Wash and Wills Agro Mechanisation、ウガンダ・エネルギー信用資本化会社(UECCC)、AgPloutos、セントナリー銀行といったパートナー企業が参加し、気候変動への適応と緩和を支援する最先端のソリューションを紹介しました。
中心的なテーマとなったのは、Tulima Solar社による太陽光発電灌漑キットの普及拡大です。灌漑キットの実演では、栽培期間の延長、収量の向上、ディーゼルポンプ依存の低減といった効果が示されました。同社は、アプリを活用した圃場診断により地形に応じた最適な灌漑設計を行うほか、女性向け補助金や柔軟な支払制度を導入し、すべての農家が気候レジリエンス強化の恩恵を受けられるよう取り組んでいます。
Tulima Solar社の活動は、UECCCの支援により大きく加速しています。UECCCは灌漑キット費用の60%を補助し、残り40%を農家が負担する仕組みを導入しました。さらに、セントナリー銀行を含む4銀行と連携し、従来42%だった金利を年15%に引き下げたグリーンローンを提供しています。補助と低利融資を組み合わせることで、小規模農家でもソーラーポンプをはじめとするクリーンエネルギー技術を導入しやすくなっています。
Wash and Wills社は、耕起、灌漑、輸送、収穫といった幅広い作業に対応した農業用多目的車を紹介しました。共同購入や手頃な価格設定により、労働コスト削減と効率的な規模拡大を可能にしています。
AgPloutos社は、有機資源の循環を基盤とした土壌と作物の健全性向上に向けた提案を示しました。化学肥料や農薬の代替策として導入し、収量を最大4倍に高めるとともに、土壌の活力や微生物の健全性を回復させ、人の健康にも配慮しています。同社は、気候変動対応型の環境再生型農業を牽引する存在として注目されています。
基調講演で、ウガンダ政府オペレーション・ウェルス・クリエイション主席顧問のフィリップ・イドロ大使は、ウガンダが年間220万トンもの野菜を失っている現状に触れ、「必要なのは単なる増産ではなく、スマートな生産です。収穫後ロスの削減、機械化の推進、そして革新による付加価値の創出が欠かせません」と述べました。
SAAウガンダ事務所のロバート・アニャン所長は、「これは単なるツールの提供ではなく“変革”です。CCBFsを先頭に、灌漑・機械化・再生型資材を活用して、農家を自給農からアグリプレナーへと導き、レジリエンスと成長のシステムを築いていきます。」と、語りました。
さらに、SAAプログラム・コーディネーターのオキロ・アンデ氏は、「輸入された解決策に頼るのではなく、ウガンダの農業環境、労働状況、土地制度の基づいた科学的な農業支援が重要です」と、強調しました。
研修参加者の集合写真今後の展望
SAAは今後、研修の拡充、啓発活動の強化、金融機関との連携を進め、2027年までに5,000~10,000基の太陽光灌漑システムの設置を目指しています。この取り組みは、クリーンエネルギー、機械化、有機的な土壌健全性の革新を、結束を持たせ包括的に統合することで、ウガンダの小規模農業を大きく変革していくことが期待されます。
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