高収量で気候変動に適応した品種の認証種子を4,476人のマリ農家に配布
2024年7月14日~20日、SAAマリ事務所がオランダ王国大使館の資金援助を受け実施するISSD-Sahelプロジェクトにより、認証種子の配布を実施しました。対象地域はブグニ、シカソ、サン、セグー州内のモロド、ダクマニ、モンゾンブレナ、コロニバウンディオ、ディディエニ、グエセブグー、サマンコで、計4,476人の農家が含まれています。同プログラムは、優良な種子の使用による地域の食料安全保障の強化と、農村世帯の所得向上を目的としています。
今回の配布では、高収量で気候変動に適応する品種合計24トンを超える種子が準備されました。
- メイズ(トウモロコシ):13,418 kg
- コメ:6,200 kg
- 雑穀:2,929 kg
- ソルガム:1,159 kg
- 落花生:402 kg
- ササゲ:208 kg
そして、各地域の州政府農業局長(DRA)が配布プロセスを監督し、局長自ら農家に種子を手渡しました。今年は、認証種子を配布した農家に、受け取った種子の3分の1を近隣の他の農家に提供するよう呼びかけるというアプローチで、プロジェクトで普及する高品質な種子の恩恵をより広範な地域にもたらすと共に、農家間の相互扶助の精神の醸成を促しています。種子を手にした農家は、国の危機的な状況の中、播種を開始する前のタイミングで認証種子を受け取ることができたことに感謝を述べました。また、前シーズンの予期せぬ天候不順による赤字を補うため、収量を最大化するため認証種子を最大限適切に使用する決意を新たにしました。
この配布イベントは、コミュニティ・レベルで種子増産に携わる農家組織と密な連携のもとで進められました。こうした組織は、ササカワ・アフリカ財団(SAA)が農村地域に質の高い種子とその適切な生産管理の手法を普及する上で欠かせない存在です。SAAは、パートナーと協力し、地域の各農家の能力開発を促進するとともに、持続可能で包括的な種子セクターの構築を目指します。
このプロジェクトは、認証種子の受益者数を増やし、種子の種類をさらに多様化させることを継続するとともに、配布効果を定期的に評価し、必要な改善を実施していきます。認証種子の広範な配布により、地域の食料安全保障の向上と持続可能な農業の発展に引き続き貢献していきます。
関連記事:食糧と栄養の安全保障改善を目指した優良種子の配布プログラムを開始(2023年)
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