SAAの農業指導アプリ「Ma’ed」の利用で、普及員のアドバイザリーサービスが改善
農業普及員のエヨブ・メンゲシャさん(32歳)は、農業支援アプリMa’ed Farm Suite(MFS)を利用することで、遠隔の農村においても、農家にアドバイザリーサービス(農家に技術や知識を助言するサービス)を提供できるようになりました。MFSアプリは、作物毎の栽培情報が得られるモバイルアプリで、オフラインでも情報にアクセスすることが可能なため、普及員が場所を問わず、農家にサービスを提供できるというメリットがあります。同アプリは、ササカワ・アフリカ財団(SAA)が推進するデジタル技術(トーキング・ブックやOA機器を整備した研修施設)を補完する目的で2022年に開発されました。
修士号を持つメンゲシャさんは、SAAのデジタル農業普及プログラムを通じてMFSアプリの研修を、最も早く受けた普及員の一人で、これまでに、150の小規模農家(17%が女性)にサービスを提供しています。農業普及のデジタル化が、小規模農家へのサービスの質とタイミング、インクルーシブネスの向上に寄与することが、彼の普及活動が証明しています。
「SAAの研修と農業情報へのアクセスにより、環境再生型農業やポストハーベストなどのリソースを十分に活用できるようになりました。農家に最新の技術やアドバイスを提供する能力が大幅に向上したと感じています」とメンゲシャさんは話します。
彼はさらに、若い農家がMFSアプリについて興味を持っており、アグリビジネスを強化するツールとして活用できる可能性を示唆しました。
「アプリをより効果的に利用するために、農業と畜産の統合、園芸、パーマカルチャー、栄養学、畜産業などの分野をカバーする情報を追加してほしい」とメンゲシャさんは話します。
MFSアプリの利用は、インクルーシブな農業部門の発展を目指すエチオピア政府の戦略「デジタル・エチオピア2025」に沿ったもので、エチオピア農業省が掲げるデジタル農業ロードマップと合致しています。
SAA E-Newsletter 2024年4月号「特集:エチオピアの活動」より転載
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