小規模な農業資材販売業者の成功が地域に与える大きな影響~ナイジェリアカノ州KSADPプロジェクト~
小規模な農業資材販売業者は、地域の農家に、改良種子や肥料、農薬などを届ける重要な役割を果たしていますが、ビジネスとして採算をとるのが難しく、ナイジェリア カノ州の販売業者は苦労していました。
イスラム開発銀行(IsDB)と「生活と生計のための基金(Lives and Livelihoods Fund: LLF)」が資金提供しササカワ・アフリカ財団(SAA)が実施する「カノ州農業牧畜開発プロジェクト(KSADP)」では、小規模な農業資材販売業者の事業改善を支援するため、94人の販売業者を対象に研修を実施しました。同研修では、商品説明、顧客対応、在庫管理、マーケティングなどの販売業に欠かせない知識/スキルの学習とともに、KSADPが認定していることが分かるキオスク型店舗、改良種子、農薬、作物用の密閉保存バッグ(PICSバッグ)が提供されました。
SAAの研修を受講したイブラヒム・クラさん(カノ州バグワイ地区のダビノ村)は、顧客サービスと在庫管理を見直し、月間の売上を26米ドルから260米ドルに増やすことに成功しました。KSADPのお墨付きを得ている販売店には多くの農家を集客し、改良種子の導入やPICSバッグによる収穫物の保存性向上などが事業運営にプラスの影響をもたらしています。
「以前は利益を上げるのに苦労していましたが、SAA/KSADPの能力開発研修に参加してから、製品の効果的な紹介方法やより良い顧客サービスの提供、在庫管理の方法を学びました。今は事業が好調で、より多くの農家をサポートできるようになりました」とクラさんは、話しています。
SAAナイジェリア事務所でKSADPのプロジェクトを担当するアブドゥルラシード・ハミスは、小規模な農業資材販売業者の成功は、販売者、農家双方とって有益であると言います。農家は必要な投入資材を手に入れ、安定した収量を確保できる一方、販売業者は、生計を立て家族を養うことができます。KSADPは、カノ州の農家と小売業者の生活を支援する取り組みを、継続していきます。
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