ウガンダ農業普及員向け研修をマケレレ大学で実施
2022年2月、SAAウガンダ事務所は、首都カンパラにあるマケレレ大学農業環境科学部にて、農業普及員向けのシーズン前研修『ウガンダの小規模農家における食料・栄養・所得向上に向けた持続可能で強靭な食料システムの構築』を実施しました。
研修は3日間(2月14日~16日)行われ、農業普及員・地区コーディネーター・地域推進員(community-based facilitators)・共同販売トレーダー(commodity association traders)などSAAの介入地域における農業普及キーパーソン、また、農業/保険会社・アカデミア・民間企業などのパートナー関係者が参加しました。
本研修の目的は、環境再生型農業、栄養に配慮した農業、市場志向型農業を3本柱とするSAAの新5か年戦略の効果的な実施に向け、必要な知識/技術を農業普及員に身に付けてもらうことです。
マケレレ大学 農業環境科学部 作物生産学科のピーター・エバニャット教授は、環境再生型農業は気候変動や土壌劣化などの環境課題に対処しうる有効な手段であるとし、参加者に導入を呼びかけました。実践に際しては、土壌や天候など地域の環境条件に即した計画を立てるよう指導し、時間と根気を要するものの、価値ある取り組みであることを強調しました。また、新戦略の3本柱(環境再生型農業・栄養に配慮した農業・市場志向型農業)それぞれにおいて概念、原則、適切な実践方法を説明しました。
圃場実習では、作付けレイアウト、整地、覆土、水路づくり、マルチング、施肥、安全な農薬の使用法、農業機械の使用などの他、背負い式散布機、耕運機、除草機、園芸作物用の小規模灌漑の運用についても実演されました。
座学の時間では、農民学習プラットフォーム、新戦略の概要とその導入方法、土壌の再生/水管理、作物に必要な栄養素など様々なテーマについて議論が行われました。
研修参加者は、今後、担当地域ごとに、ワークプランと評価のためのパフォーマンス指標を作成し、実施していきます。
最後に、ジョセフ・ブベンバSAAウガンダ副所長が挨拶し、次のように呼びかけました。「我々にはプランが必要です。数年後、アフリカの人口は24億人に達すると予測されているにも関わらず、農業生産システムは変わっていません。人口増加による膨大で多様な需要を満たすため、ベストプラクティスと技術を導入しましょう」と述べました。
2050年に予想される91億人の世界人口を養うためには、全体の食料生産量を(2005年比で)70%増加させる必要があると予測されています。
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