“本当に感謝しています。” 笹川アフリカ農業普及教育基金(SAFE)の第一期生、ドロシー・アニマ・エファさんのサクセスストーリー

ガーナ
2019年11月23日

1993年に開始したSAFEの第一期生の一人であるガーナのジョセフ・クウェシ・サーポンさんより提供されました。

SAAが1992年に実施した調査によると、ガーナでは現場の最前線にいる農業普及員の83%が単科大学を卒業しているものの、知識や技術が不足していることが分かりました。この課題を解決するために、単科大学を卒業した農業普及員に再トレーニングを行うことを目的に、1993年にガーナでSAFEプログラムを開始しました。以降、SAFEプログラムでは農業バリューチェーンに沿ったカリキュラム作成を行い、これまでに7,000人以上の卒業生を輩出してきました。カリキュラムは、農業技術、コミュニケーション・スキル、クリティカルシンキングなどから構成され、農業普及員が小規模農家の様々な要望に応えられるよう、彼らの専門的知識や技術を強化するものとなっています。

ガーナの農業普及員であるドロシー・アニマ・エファ博士もSAFEの卒業生であり、現在は博士課程の指導教官をしています。元々ガーナの食糧農業省(MOFA)の農業普及員であったドロシー博士は、ガーナで最初にSAFEプログラムを開始したケープコースト大学に、第一期生として入学しました。優秀な成績で大学を卒業した後、ドロシーさんは現職に戻りましたが、その後再び大学に戻り博士号を取得しました。ドロシーさんは現在、食糧農業省の政策企画局長を務め、「アフリカの緑の革命のための同盟(AGRA)」と密に連携しています。また、ガーナ管理行政研究所で講義を行うとともに、博士課程の学生2名の指導を行っています。

「博士号を取得した今でさえも、学問的にこれほどの成果を収めることは予想していませんでした。これは、最初のきっかけ、つまりSAFEプログラムで取得した農業普及学の学士号がなければ成し得なかったでしょう。本当に感謝しています。」とドロシーさんは振り返ります。

今日では、ガーナの農業局長のほとんど全員がSAFEプログラムの卒業生です。その中には、ココア事業や国際連合食糧農業機関(FAO)、その他の農業関連組織で重要なポストを担っている人もいます。このようにSAFEプログラムは、官民双方における専門家を育成し、ガーナの食料安全保障を達成するために必要な農業の成長と発展を支援しています。

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