2025年8月31日から9月5日まで、セネガルの首都ダカールにあるCentre International de Conférence Adbou Diouf (CICAD)にて、アフリカ最大級の農業・食料システム分野のイベントであるアフリカ食料システムフォーラム（Africa Food Systems Forum Summit ：AFSF）が開催されました。

AFSFは、アフリカの食料安全保障とアグリフードイノベーションに関する、最大かつ最も影響力のあるプラットフォームです。今年のテーマは「アフリカの若者：アグリフードシステム変革を主導する協働、イノベーション、そして実践（Africa’s Youth: Leading Collaboration, Innovation, and the Implementation of Agri-Food Systems Transformation）」で、セネガルのバシル・ジョマイ・ジャファール・ファイ大統領によって開会が宣言されました。

このイベントには、国家元首や大臣、研究者、農業団体、開発パートナー、民間セクターなど、多様な関係者が一堂に会しました。参加者は皆、アフリカの食料の未来を確かなものにするという共通の目標に向けて連携しました。

アフリカの食料システム変革の最前線へ

この1週間にわたるイベントを通して、SAAは、アフリカ大陸の農業開発における主要な担い手としての役割を改めて強く印象づけました。

事務局長の睦好が率いるSAA代表団には、エチオピアにある戦略的パートナーシップオフィスのメンバーに加え、ナイジェリア、エチオピア、マリ、ウガンダにあるSAA各国の事務所所長、職員が同行。彼らが全体会議や技術関連のサイドイベント、そしてハイレベルな二国間会合に積極的に参加することで、多岐にわたる国での活動実績と、多様な農業環境の中で変革を推進するSAAの能力を示す良い機会となりました。

交流の中心地：SAAの展示ブース

SAAはこのイベント会場にブースを設け、ネットワーキングや情報交換のための活気あふれる場として活用しました。SAAの活動について詳しく知りたいという、政策担当者や開発パートナー、アグリビジネスのリーダー、イノベーターなどが多数訪れ、知識を深めたり、将来的な協業について議論したりする姿が見られました。

ネットワーキング、交流の拠点となったSAAの展示ブース

戦略的パートナーシップオフィスのメル・オルオチ博士は、ドナー機関や政府関係者、民間セクターの関係者と多くの二国間会合を設けました。これらの対話では、機械化、デジタル技術の普及、市場へのアクセスといった重要な分野における、パートナーシップの拡大が話し合われました。

技術対話と政策プラットフォームへの貢献

SAAは、複数の重要なセッションやサイドイベントにも参画しました。アフリカ開発銀行（AfDB）が主催したサイドイベントには、ゴッドウィン・アサーSAAナイジェリア事務所長が登壇し、気候変動に配慮し、栄養バランスを考慮した、市場志向の農業を推進するための実践的な知見を共有しました。

特に、デジタルツールの活用、草の根レベルでの普及活動、そしてAfDB、日本財団、日本や各国・地域政府との強固なパートナーシップの重要性を強調しました。また、他のSAA職員も様々なセッションで教訓や成功事例を紹介し、アフリカの食料システム変革におけるSAAの「実践者」および「思想的リーダー」という二つの役割を改めて示すことができました。

農業におけるジェンダーと若者の主導

SAAは、今年のAFSFの主要テーマである「ジェンダー包摂と若者のエンパワーメント」についても最大限この機会を活用しました。私たちは、アフリカの4カ国で女性農家やバリューチェーンに関わる人々に、研修、資材、そして市場へのアクセスを提供している点を強調。同時に、農業が実現可能で収益性の高いキャリアであることを示すことで、若い農業起業家を支援していることも紹介しました。

今後に向けて：影響力を深め、パートナーシップを拡大する

フォーラムは、明るい雰囲気の中で閉幕を迎えました。SAAにとって今回の参加は、リーダーシップ、協力体制、そしてアフリカの農業変革に対する強い意志を示す機会となりました。このフォーラムで得られた知見、築かれたネットワーク、そして強化されたパートナーシップは、SAAが活動する国々のプログラム設計や実施に直接的に活かしていきます。「農家中心」のアプローチ、高い専門知識、そして広がり続けるパートナーシップを強みとするSAAは、今後もアフリカ全土で、持続可能で、誰一人取り残さない食料システムを構築するために、重要な役割を担っていきます。

Africa Food Systems Forum (AFSF) 公式ウェブサイト