エチオピア・ジンマ及びブノ・ベデレにおける包括的大豆バリューチェーンプロジェクトが始動
アフリカ緑の革命のための同盟(AGRA)が資金提供する包括的大豆バリューチェーンプロジェクトが、2024年12月28日にオロミア州ジンマで正式に始動しました。このプロジェクトは、ササカワ・アフリカ財団(SAA)、Lersha-Green Agro Solution PLC、Farm Radio International(FRI)で構成されるSoy-Linkコンソーシアムにより実施され、オロミア州ジンマ及びブノ・ベデレ県における大豆生産とバリューチェーン開発の強化を目指しています。
SAAエチオピア事務所のフェンタフン・メンギスツ所長は歓迎の挨拶で、土壌肥沃度を回復し、農業の持続可能性を向上させる上で、大豆は重要な役割を果たすと強調しました。プロジェクト地域における土壌劣化による土壌生産性の低下に言及し、大豆は土壌を改良し、生態系を維持する「天然の肥料」として機能し得ると述べました。
また、フェンタフン所長は、ジンマ地域での教訓についても振り返りました。同地域では、トウモロコシの生産拡大を目指した政府主導の取り組みが、エチオピアの公的な改良普及システムに取り込まれて発展しました。大豆生産の確固たるシステムを確立するためにも、本プロジェクトにおいて同様のアプローチを採用することが重要であると述べ、コンソーシアムのメンバーに対し、プロジェクトの目標を達成するために、パートナーやステークホルダーと連携するよう呼びかけました。
オロミア州大統領府農業バリューチェーン推進ユニット・コーディネーターのケディル・ネフォ氏は、開会の挨拶の中で、同州は大豆を含む30の主要作物の生産性を向上させることを優先課題としており、このプロジェクトはタイムリーで非常に重要なものであると述べました。
ケディル・ネフォ氏(右)とフェンタフン・メンギスツ所長(左)
従来、この地域における大豆生産は、家庭消費向けの小規模な取り組みに限られており、利益はごくわずかでした。しかし、この地域は大豆生産に適した条件を備えており、キャパシティビルディングや品種の導入、種子の多様化を通じた発展の可能性を秘めています。
ケディル氏は、参加者に、本プロジェクトをより幅広い農業イニシアティブに組み込み、週ごとのパフォーマンス評価を含む継続的なモニタリングを実施すると約束しました。また、農家の大豆製品の持続可能な市場を確立することが重要であると強調し、AGRAと実施パートナーの協調的な取り組みを促しました。
本ワークショップでは、プロジェクトの多様な要素に関する5つのプレゼンテーションが、SAAの環境再生型農業コーディネーターであるメレス・リヘ、SAAの市場志向型農業コーディネーターであるヤレムゼウッド・テショーム、Lersha-Green Agro Solution PLCのシニアアグリビジネス開発担当アソシエイトであるキンフ・マモ氏、FRIのプログラムコーディネーターであるアクリル・タファ氏、そしてSAAエチオピア事務所のエルミアス・アバテ副所長によって行われました。
また、政府機関、研究センター、大学、民間企業、その他組織の代表者を含む主要なステークホルダーが活発な議論を交わし、問題提起や意見交換、質疑応答が行われました。
ワークショップの様子
本ワークショップは、ケディル・ネフォ氏とフェンタフン事務所長による挨拶で締めくくられました。 両氏は、プロジェクトの目標を達成するために、強力な連携と持続的な努力が重要であると改めて強調しました。 本プロジェクトの始動は、この地域の大豆バリューチェーンを強化する上で重要な一歩であり、農家の生活を改善し、持続可能な農業開発に貢献する可能性を秘めています。
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