ジミー・カーター大統領のご逝去を悼んで ~ササカワ・アフリカ財団(SAA)共同創設者としての偉業を称えて~

2024年12月31日
ジミー・カーター大統領(左)、ノーマン・ボーローグ博士(中央)、笹川陽平氏(右)
ジミー・カーター大統領(左)、ノーマン・ボーローグ博士(中央)、笹川陽平氏(右)

ササカワ・アフリカ財団(SAA)は、共同創設者の一人であるジミー・カーター大統領のご逝去に際し、深い哀悼の意を表します。100歳という大往生を迎えたカーター大統領は、リーダーシップ、人類愛、飢餓の撲滅、人権擁護、世界平和の促進に尽くした卓越した生涯を残されました。

1985年、アフリカの角が深刻な飢餓危機に直面していた中、カーター大統領は笹川良一氏とノーマン・ボーローグ博士とともに「ササカワ・アフリカ・イニシアティブ」を立ち上げました。この先駆的な取り組みは、後にササカワ・グローバル2000(Sasakawa Global 2000)へと発展し、SAAの重要な活動基盤となりました。この取り組みは、カーター大統領の国際的な政治的影響力と国際協力を促進する能力、ボーローグ博士の革新的な農業知識、そして笹川氏が会長を務めた日本財団(当時は日本船舶振興会)を通じた財政的支援という三者の独自の強みを結集したものでした。

カーター大統領の貢献は、ハイレベルの外交にとどまりませんでした。農村を訪れ、農家に耳を傾け、支援する人々と直接つながりました。その謙虚さと、達成可能な目標を明確に理解する力により、大統領の関与は非常に意義深く、影響力のあるものでした。



写真は、カーター大統領のSAAでの功績を象徴する一場面を捉えています。エチオピアを訪問した際、大統領はメレス・ゼナウィ首相にSAAのデモンストレーション圃場を紹介しました。これらの圃場は、改良農業技術がどのように農家を力づけ、生産性を向上させるかを示すものでした。このモデルに触発されたメレス首相は、デモンストレーション圃場をエチオピアの国家的な農業普及政策の柱として採用し、同国の食料安全保障と農業開発において顕著な進展を遂げました。

カーター大統領、笹川氏、ボーローグ博士の共有したビジョンと決意が、ササカワ・アフリカ財団を誕生させました。その努力は、アフリカの小規模農家を支援し、生計を向上させるという私たちの使命に今もなおインスピレーションを与えています。

カーター大統領の卓越した生涯と貢献を称え、私たちは彼の遺志とビジョンを引き継ぎ、アフリカにおけるより持続可能で回復力のある食料システムを実現するため、農家とともに歩み続けます。

ササカワ・アフリカ財団を代表して、カーター大統領のご家族と、大統領のリーダーシップに感銘を受けたすべての方々に、心よりお悔やみ申し上げます。

カーター大統領の偉大なる魂が安らかに眠られますように。



Amit Roy 
ササカワ・アフリカ財団 会長
 

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