エチオピア農業教育の強化に向けた評価ワークショップを開催
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ササカワ・アフリカ財団(SAA)は、農業普及員の生涯教育の充実を目的とし、エチオピア バハル・ダールで「教育プログラム評価ワークショップ」を開催しました。本ワークショップには、エチオピアの主要大学およびアムハラ州農業局の関係者が集まり、23の新しいプログラムを検証しました。
ワークショップの概要
本イベントには、ゴンダール大学、ウォロ大学、バハル・ダール大学の副学長や教育学部長のほか、アムハラ州知事の経済顧問、アムハラ州農業局の幹部、メディアやパートナーなど多数の関係者が参加しました。
デレス・サヘル農業局長は、挨拶の中で、農業部門の発展には高度な知識を持つ人材の育成が不可欠であると強調。農業局が関係機関と連携し、プログラムの成功に尽力することを表明しました。
農業教育の強化と普及員育成の取り組み
SAAエチオピアのエルミアス・アバテ副事務所長は、カリキュラムや教育資料の標準化の重要性と、それらがエチオピアの農業教育の発展に果たす役割について講演を行いました。
SAAのキャパシティ・ビルディング・コーディネーターのテスファエ・ウォルク職員は、SAAが長年にわたり実施してきた農業普及員の長期研修プログラムの役割とその貢献について説明しました。SAAは、雇用市場のニーズに対応するため、大学と連携し、作物栽培、畜産、天然資源、園芸の4分野にわたる新カリキュラムの開発を支援しました。現在、これらのカリキュラムはワークショップに参加した3つの大学で導入され、他の7つの大学では引き続き農村開発および農業普及の既存カリキュラムが提供されています。
フェンタフン・メンギスツ事務所長とテスファエ職員は、プログラムの全体的な目的を説明し、農業セクターの発展における中途教育の導入の重要性について発表しました。また、農業普及員の能力強化とスキルギャップの解消が、農業の持続的発展に不可欠であることを強調しました。
農業普及強化に向けた研修とカリキュラム開発
アムハラ農業局のアト・ケグナスマック・メスフィン局長は、ケベレ(地域行政区)レベルにおける専門家の研修ニーズに関する調査結果を発表しました。この調査により、農業普及サービスの成功要因と課題が明らかになり、今後のカリキュラム開発に貴重な示唆を与えました。
また、ゴンダール大学のダニエル・ニグッセ教授は、農業普及における再教育カリキュラムの設計とその利点について説明し、このプログラムが農業普及員の能力向上に寄与し、地域社会のニーズに応える上で大きな可能性を持つことを強調しました。
プログラム改善に向けた意見交換と連携の強化
ワークショップでは、参加者を交えてプログラムの改善(実施方法、体系的文書化、ベストプラクティスの普及など)に向けた意見交換が活発に行われました。
また、SAA、大学、アムハラ州農業局の連携が、農業普及サービスの強化とエチオピアの持続可能な農業開発に貢献することが改めて確認されました。
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"Walking with the Farmer"
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