「持続可能な開発に関するアフリカ地域フォーラム(ARFSD)」第10回会合に参加
2024年4月23日から25日まで、アディスアベバで開催された「持続可能な開発に関するアフリカ地域フォーラム(ARFSD)」の第10回会合に、SAAの環境再生型農業担当リード・スペシャリストであるステラ・カビリ博士が参加しました。この重要なフォーラムには、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた進捗と課題を評価するため、アフリカ全土の様々なステークホルダーが出席しました。
議論の中で、持続可能な開発目標(SDGs)の進展には憂慮すべき傾向があることが確認されました。SDGsの中には、前進しているものもあれば、後退しているものもあります。「エネルギーをみんなに そしてクリーンに(SDGs 7)」、「働きがいも経済成長も(SDGs 8)」、「住み続けられるまちづくりを(SDGs 11)」、「気候変動に具体的な対策を(SDGs 13)」といった主要分野は、遅れているだけでなく後退しています。(図1)。
こうした状況は、SAAが戦略的イニシアチブをこれらの重要分野とより密接に連携させ、SAAの活動を強化する大きなチャンスであると言えます。
SDGs 7: エネルギーをみんなに そしてクリーンに
持続可能なエネルギーソリューションの必要性は、特に農村部では極めて重要です。SAAは、伝統的な調理用燃料に代わる選択肢を模索することで、こうした地域社会における持続可能なエネルギーの実践を支援しています。
SDGs 8: 働きがいも経済成長も
働きがいと経済成長の不足に取り組むことは、依然として優先事項です。SAAのプログラムは、近代的な農業慣行とアグリビジネスを通じて若者のエンパワーメントを図り、経済的エンパワーメントと成長に貢献することを目的としています。
SDGs 11: 住み続けられるまちづくりを
都市部は、持続可能性に関する独自の課題に直面しています。SAAの都市農業と栄養に配慮した農業の取り組みは、都市の景観を生産的で持続可能な環境に変えることを目的としています。
SDGs 13: 気候変動に具体的な対策を
気候変動対策の後退は、強固な気候回復力と適応戦略の必要性を強調しています。SAAの環境再生型農業とクライメイト・スマート・アグリカルチャーによる脱炭素化への取り組みは、こうした課題に直接取り組んでいます。
さらに、このフォーラムでは、アフリカ全土で顕著な課題となっている土壌の劣化という問題がクローズアップされました(図2)。これは、持続可能な農業の根本となる土壌の健全性を改善するために、SAAが環境再生型農業を重点としていることの重要性を示しています。
図2:目標達成のために逆転(赤い棒グラフ)と加速(黄色い棒グラフ)が必要なSDGs指標
(https://ecastats.uneca.org/unsdgsafrica/SDGs/SDG-progress)
ARFSDで行われた議論は、SAAの戦略的イニシアチブの意義を強化し、また変化する環境に適合させるための基盤となり、今後の提案に向けた説得力ある問題提起となります。また、今日アフリカが直面している最も差し迫った環境的・社会経済的課題に対するSAAの取り組みの重要性を強調するものでもあります。
アフリカにおけるSDGsの進捗状況や、フォーラムで説明された課題の詳細については、こちらから報告書全文(英語)をご覧いただけます。
アフリカ全土の持続可能な開発に有意義な影響を与えるため、SAAは今後も専門知識とリソースを活用し尽力していきます。
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