SAAマリ事務所、年次ステークホルダー会合を開催

ニュース
2024年4月18日

2024年3月7日~8日、首都バマコにて、SAAマリ事務所の年次ステークホルダー会合が開催されました。「土壌の健全性向上に向けた環境再生型農業(Regenerative Agriculture for Improving Soil Health)」をテーマに関係者が一堂に会した本会合は、SAAの現地での活動成果が報告されるとともに、得られた知見や経験の共有を関係者と共有する貴重な機会となりました。

初日:農家グループのリーダーとアドバイザリー・チームの参加
初日は、SAAが支援する農家グループとそれを支える地域の世話人が主役でした。2023年にSAAが実施した各活動の振り返りと、2024年の活動計画が発表されました。農村を取り巻く厳しい環境の下においても、競争力を発揮できる強靭な農家組織を構築する重要性とグループ運営で蓄積された経験が共有されました。農家グループのリーダーたちは、貴重な知見を得たことに謝意を述べるとともに、同様の学びとフィードバックの機会を定期的に開催するよう希望しました。

2日目:政府および教育機関との対話の拡大
2日目は、農業省書記長などの政府関係者や、マリ農業局(DNA)、地方農業局(DRA)、セグー大学、農業研究所IPR/IFRA(カティブグー)、農業研修施設(CAA)、およびNGOの関係者を迎え開催されました。冒頭、SAAマリ事務所のハマド・タプソバ所長とオンライン参加した北中真人理事長が歓迎の挨拶を述べ、持続可能な開発と気候レジリエンスの文脈において、土壌の健全性に焦点を当てた本会合テーマの重要性を共有しました。

農業省のオマール・タンブーラ書記長は、本会合のテーマが、マリ政府の政策の方向性と合致すると述べ、環境再生型農業がいかに気候変動の影響緩和と、生物多様性の向上、食料安全保障の確保に重要か強調しました。

環境再生型農業をテーマにした対話型セッション
SAAのリード・スペシャリスト(環境再生型農業)であるステラ・カビリ博士による対話型セッションでは、「アフリカにおける土壌の健全性向上のための環境再生型農業技術」や「環境再生型農業を実践するマリの農家に向けた気候変動危機下に強靭な栽培方法の普及」をテーマに参加者と意見交換を行いました。また、年間を通じて土壌被覆を維持するために、マリで普及可能な被覆作物の栽培ローテーションのモデルについても議論を深めました。

結論と展望
本会合では、SAAの推進する農業技術の実践により、小規模農家が得られるベネフィットの可能性が議論され、今後、周辺の農家コミュニティ、そしてより広範な地域において、環境再生型農業を前進させることが期待されます。本会合は、貴重な知見の共有の場になるとともに、今日の世界的な農業課題に取り組む上でパートナーシップの重要性が関係機関の間で再認識されました。

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