第13回アフリカ・フードシステム・フォーラム(AGRF)inタンザニアに参加

ニュース
2023年10月6日

2023年9月5日~8日、タンザニアのダルエスサラームにて、第13回アフリカ・フードシステム・フォーラム(AGRF)が開催され、アフリカ各国の要人や団体が集結しました。「回復、再生、行動:食料システムの変革に向けたアフリカのソリューション "Recover, Regenerate, Act: Africa’s Solutions to Food Systems Transformation"」をテーマに開催された本会合では、革新的な農業とフードシステム戦略、気候変動の緩和、若者と女性のエンパワーメントなどアフリカ全体の農業/食料システムの舵を取る重要な議論が展開されました。

SAAからは、ルース・オニアンゴ名誉顧問、北中真人理事長、白戸圭一理事らが出席し、展示ブースを出展しました。また、各国事務所長(フェンタフン・メンギスツ(エチオピア)、ハマド・タプソバ(マリ)、ゴドウィン・アサー(ナイジェリア)、デイビッド・ウォゼンバ(ウガンダ))達もそれぞれの地域における活動や知見を共有し、議論に貢献しました。

 講演を行うSAAのルース・オニアンゴ名誉顧問
父親がSAAのプロジェクトに参加していた頃の話を語ってくれたオクタヴィア・ラスウェイさん(右)

タンザニアプロジェクトの受益者と偶然の再開

会場では、父親がかつてSAAプロジェクトの受益者であったというオクタヴィア・ラスウェイさんが、偶然にもSAAの展示ブースを訪れ、当時のエピソードを語ってくれました。ラスウェイさんの父親は、タンザニア北部ロホンボ地区で暮らしていた1990年代、同地域でSAAが実施したメイズ栽培技術普及プロジェクト参加し、習った農法を忠実に実践しました。その結果、大幅に収量が向上し、村一番の成功を収めたことから、人々から「ササカワ」という愛称で親しまれるようになったという話を披露してくれました。ラスウェイさんの証言は、SAAのこれまでの取組みが地域に根付いていることを実感させる感動的な瞬間でした。

議論のポイント

同会合では、包括的な土壌保全と修復、政策的なインセンティブの必要性が喫緊の課題として強調され、環境再生型農業、若者の参画、強靭なバリューチェーン構築、政策変革に焦点が当てられました。中でも特に女性や若者が取り組むアグリビジネスを対象とした融資システムの拡充が指摘され、官民双方からの投資強化が求められました。

ハイレベル・テクニカル・セッション

アフリカ開発銀行によるアフリカ農業変革のための科学技術プログラム(TAAT)とCGIAR のExcellence in Agronomyが主催したテクニカル・セッションでは、タンザニアの元大統領であるジャカヤ・キクウェテ氏が出席する中、SAAの北中理事長が基調講演を行い、志を共にするパートナーと連携し、アフリカのフードシステム変革に向けたSAAの揺るぎないコミットメントを強調しました。

総括

第13回アフリカ・フードシステム・フォーラムを通じて、SAAは、大きな学びと経験を獲得し、また関係機関との揺るぎないパートナーシップを確認しました。4か国の事務所長達もさまざまなセッションへの参加を通じ、農業の最新動向にかかる見識を深めるとともに、アフリカ開発銀行(AfDB)や国際食糧政策研究所(IFPRI)などのパートナーと意見交換し、引き続きの連携を確認しました。同会合で得られた見識や人脈を糧として、SAAはアフリカのフードシステムに革命を起こすというミッションの遂行に向けてこれからも邁進いたします。

Official Site: Africa Food Systems Forum

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