SAAエチオピア事務所、年次ステークホルダー会合2023を開催
3月10日~11日、SAAエチオピア事務所は、オロミア州アダマのネフレットホテルにて、2023年度のステークホルダー会合を開催し、2022年度の成果を振り返るとともに、2023年度の活動計画を参加したパートナ/農業関係者と共有しました。
同会合は、「持続可能で気候変動に強い農業・食料 システムの構築 ~食料と栄養の安全保障を向上する ~」というテーマで開催され、エチオピア農業省、市民社会団体機構(ACSOs)、エチオピア農業研究所(EIAR)、エチオピア農業変革研究所(ATI)、地域研究センター、エチオピア協同組合(ECC)、州/県農業局、国際NGO、大学、JICAやドイツ国際協力公社(GIZ)などの開発パートナー、報道機関等が出席しました。
SAAエチオピア事務所のフェンタフン・メンギスツ所長は、歓迎の挨拶で、1990年代半ばのエチオピア全国農業普及プログラムの設立におけるSAAの貢献に触れ、SAAの長年の活動や現在の戦略について説明しました。基調講演では、戦略パートナーシップ事務所のメル・オルオチ所長が、食料主権に向けたアフリカの農業について発表を行い、北中真人理事長は、30年にわたるエチオピアでの活動と農家の食料・栄養・所得確保のため現在の5か年戦略(2021-2025)が重要であると強調しました。また、肥料の価格高騰や異常気象による農家の厳しい状況に触れ、環境再生型農業の推進を通じて課題を克服すると述べました。さらに、2023年は、5か年戦略の中間年にあたり、同戦略実施において、パートナーや農業関係者と協調した取り組みが必要であると述べました。
エチオピア農業省イエネネシュ・エグ農業普及局長は開会の挨拶で、SAAのSAFEプログラム(提携農業大学における普及員の人材育成プログラム)への参加が自身のスキルアップ/キャリア形成につながった経験に触れ、現在のSAAの戦略は、豊かな栄養と灌漑小麦の生産に焦点を当てた同国のイニシアティブ「Yelemat Tirufat」に合致すると評価しました。また、SAAの2023年度の計画実施に向けては、客観的な視点からインプットを提供するよう参加者に呼びかけました。
会合では、以下の4つの技術論文が共有され、参加者を交えて議論が行われました。
- “Enhancing agro-biodiversity for improved Ecosystem Services and Resilient Agri-food System” (よりよい生態系サービスと強靭なアグリフードシステムに向けた農業における生物多様性の向上)-Dr. Fentahun Mengistu(SAAエチオピア事務所長)
- “The critical role that Transforming Food Systems must play in climate mitigation, adaptation, and building resilience” (気候緩和・適応・レジリエンス構築においてフードシステムの変革が果たす役割)- Dr. Stella Kibiri (SAA環境再生型農業リード・スペシャリスト)
- "GIZ's Experience in Integrated Soil Fertility Management (ISFM)" (統合土壌肥沃度管理(ISFM)におけるドイツ国際協力公社の経験)- Mr. Debela Bersisa.
- “SAA’s progress in digitalization of Agricultural Extension and Advisory Services: The case of Talking Books”(農業普及サービスのデジタル化におけるSAAの貢献~トーキングブックの事例~) -SAAエチオピア事務所Binyam Tesfayeコミュニケーションオフィサー
さらに、SAAの2022年度の活動成果・課題・教訓とともに2023年度の活動計画について発表・議論され、充実したフィードバックを得ることができました。最後に、市民社会団体機構(ACSOs)のファシカウ・モラ副局長とSAAエチオピア事務所のアブラハム・タデッセ副所長が閉会の挨拶を行いました。
SAA 出版物のご紹介
E-ニュースレター
"Walking with the Farmer"
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サクセスストーリー
Voices from the Field Special Edition 2022
「現地からの声」の記事を特別編集版としてまとめました。