2023年1月23日－25日、農業における技術革新でジェンダーと栄養にインパクトを与えるIGNITE（Impacting Gender & Nutrition through Innovative Technical Exchange in Agriculture）プロジェクト*によるリサーチ・サミットが、ケニアの首都ナイロビで開催され、農業における女性のエンパワーメントや栄養価改善の効果的な普及のための知見とエビデンスが共有されました。同サミットには、アフリカ各国（ブルキナファソ、エチオピア、ナイジェリア、タンザニア、ジンバブエ、ケニア）の民間企業、NGO、公的機関、研究機関、教育機関などから70を超える関係者が集まりました。

*IGNITE（Impacting Gender & Nutrition through Innovative Technical Exchange in Agriculture）は、アフリカで活動する組織が、栄養とジェンダーの視点を事業（農業）に統合できるよう能力強化することを目的に、Tanager、Laterite、60 Decibelsの３社の融資により実施されている５年間のプロジェクトです。

SAAは、2019年よりIGNITEとパートナーシップを開始し、組織の戦略、プログラムの開発や実施、モニタリング評価において、栄養とジェンダーの視点を統合してきました。また、2020年に実施された栄養・ジェンダーにかかるSAAの組織力評価に基づき、IGNITEチームは、エチオピア、マリ、ナイジェリア、ウガンダ事務所のSAAスタッフにジェンダーと栄養に関する研修を実施しました。

さらに、IGNITEチームの協力により、以下3つの調査が実施され、本サミットにおいて結果が共有されました。

• ナイジェリア小規模農家を対象とした栄養・ジェンダーにかかる行動の形成的評価
• エチオピアのテフ農家を対象に性別によるベストプラクティス選択の違い
• エチオピア小規模農家を対象に栄養に関するKAP調査*
  *知識（Knowledge）、態度（Attitude）、行動（Practice）に関して、情報を収集するインタビュー調査。

SAAからは、Ethiopia Tadesseコミュニケーション＆アドボカシー責任者、Shushan Nigussieアドミンマネージャー、Melese Liyehe環境再生型農業コーディネーター（エチオピア事務所）、Getachew Minas モニタリング評価コーディネーター（エチオピア事務所）の4名が参加しました。

パネルディスカッションにおいて、Melese Liyeheは、ジェンダーと栄養にかかるデータがSAAの農業普及アプローチに与えたインパクトについて述べました。Ethiopia Tadesseは、基調講演でSAAが栄養とジェンダーを戦略の重要な柱として主流化した経験を共有しました。本サミットは、ジェンダーと栄養の主流化において、リサーチに基づくエビデンスの重要性を共有する貴重な機会となりました。

ジェンダーと栄養に関するデータが、SAAの普及活動にどのように反映されたか紹介するMelese Liyehe環境再生型農業コーディネーター（右）

基調講演でプレゼンテーションを行うEthiopia Tadesseコミュニケーション＆アドボカシー責任者