新型コロナウィルスに関するササカワ・アフリカ財団(SAA)の対応

ニュース
2020年6月8日
(ウガンダ)農民に対しマスク着用と消毒を促し、農業指導を行うSAAスタッフ
(ウガンダ)農民に対しマスク着用と消毒を促し、農業指導を行うSAAスタッフ

新型コロナウイルス(COVID-19)による累計感染者数は、世界各国・地域で600万人を超え、死者数は37万人を上回りました(2020年6月7日現在)。アフリカでの感染者数は現時点では16万人に留まっていますが、WHOの専門家らは、今後数年にわたりアフリカ大陸での流行が続くとの見解を示しています。

この状況を踏まえ、SAAでは今年4月中旬にCOVID-19がアフリカの農業バリューチェーン全体にもたらす影響について調査を行い、その結果を踏まえ、その影響を緩和する為の緊急支援対策を検討しました。この調査は、重点国であるエチオピア、マリ、ナイジェリア、ウガンダと、準重点国であるタンザニア、マラウイ、ベナン、ブルキナファソ、シエラレオネ、モザンビーク、ガーナを対象に、各国の農家、仲買人、農業省関係者、大学の教師や学生に対し、電話及びメールにてインタビューを実施しました。

この調査では、COVID-19のパンデミック(世界的大感染)によって、農業分野における様々な関係者が、大きな打撃を受けていることが明らかになりました。例えば、公共交通機関の利用制限や外出自粛等により、農民は種子や化学肥料など農業に欠かせない物品の入手が困難な状況に陥っています。更には金融サービスや販売市場へのアクセス、農業労働力の確保にも困難が生じていることが分かりました。

またその影響は、農業普及サービスにまで及んでいます。各国政府による集会禁止措置により、農業普及員から農家への指導機会が妨げられていることが判明しました。また、農業大学では、感染症拡大防止のため休校措置が講じられ、ICT(情報通信技術)のインフラが整っていない地域ではオンライン授業が行えず、多くの学生の学習の機会が妨げられています。こうした状況は、このパンデミックが、アフリカの食糧生産及び農業生産性に甚大な影響を及ぼし、食糧危機を招く可能性を示唆しています。

こうした状況による影響を軽減すべく、SAAはモットーである「その技術を農家の元へ(Take it to the farmer)」という精神のもと、例えば“e-extensionプラットフォーム”などITCを用いた革新的なアプローチを構築し、短期のみならず中長期を見据えつつ、アフリカのフードシステムのレジリエンス強化に取り組んでいく予定です。

COVID-19がアフリカのフードシステムに与える影響に関する調査(英文報告書)

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