ギニア

開始年:1996年

終了年:2004年

国別プログラム・ディレクター/コーディネーター:Dr. Tareke Berhe

 

歴史と主な活動:

SG2000ギニア・プログラムは、ギニア農務省(MOA: Ministry of Agriculture)と連携し、ギニアの国家改良普及機関であるSNPRVと協力して実施されました。主食のコメが、現場実証の重点作物でした。コメの輸入が増加して1996年には20万トンを超え、多額の外貨を消費することになっていたことを懸念して、政府はコメの増産キャンペーンを開始し、SG2000ギニアに対して現場実証と種子生産での支援を要請しました。

SG2000ギニア・プログラムの目標は次のとおりです。

  • 改良農業技術の利用による食糧増産
  • ムクナマメの利用による休閑地の改良
  • 改良型の稲脱穀手法、トウモロコシ脱殻技術、貯蔵設備の導入
  • 女性グループを対象とした農業活動の改善
  • 国内の関係機関の能力強化

農民と改良普及スタッフは、農作物栽培の科学的手法に関する研修を受け、1カ所あたり約0.5ヘクタールの栽培試験圃場(PTP: Production Test Plot)を作りました。その大部分には稲が植えられましたが、トウモロコシ、ソルガム、大豆、フォニオも植えられ、一部では緑肥作物であるムクナマメが栽培されました。1996年には、1つの州で農民とともに約50カ所のPTPを設置し、その後このプログラムは急速に拡大しました。2000年までに17県の3,900以上のPTPが実施され、そのうち半数で稲が栽培されました。ギニアでは土壌肥沃度が深刻な問題であり、化学肥料がほとんど使用されていないことから、多くのPTPでは、リレー作物としてムクナマメを組み合わせて栽培を行っていました。このような小規模な形で開始された現場プログラムは年ごとに着実に拡大し、2003年には圃場が1万カ所に、参加農民が6州で1万3,000人に達しました。合計で3万人以上の農民がプログラムに参加し、現場プログラムが実施された8年間で、実証圃場は2万3,000カ所に拡大しました。

photo

Using a multi-crop thresher to process NERICA in Faranah, Guinea

NERICAとQPMの導入 – ギニアの農民が改良陸稲品種を入手できるようにするため、SG2000ギニアと国家改良普及機関は、アフリカ稲センター(WARDA: West Africa Rice Development Association)がアフリカ米とアジア米を交配して開発した新品種の種子の増殖を行いました。2001年、約500カ所の圃場で、WARDAの新品種であるネリカ(NERICA:New Rice for Africa(アフリカのための新しいコメ))が栽培されました。

ガーナから輸入された高品質タンパク質トウモロコシ(QPM: Quality Protein Maize)品種の「オバタンパ」(Obatanpa)がギニアに適した品種であることが分かり、農民に広く採用されました。PTPでは、オバタンパの収量は平均3.0トン/ヘクタールに達しました(トウモロコシの全国平均収量は1.0トン/ヘクタール)。大量の収穫を処理するために農民は、収穫後の穀物貯蔵の改善のための小型貯蔵庫の建設方法を学びました。

女性農民の参加 – ギニアの農業では、開墾から販売や加工まですべての面で女性が中心となっていることから、SG2000ギニアは5グループの女性200人との協力を開始し、必要な投入資材の供給や融資の提供を行いました。女性農民は野菜やトウモロコシ、大豆を栽培しました。1997年から2001年まで、1,900人以上の女性がムクナマメを使ったレシピを作る研修を受けました。

1998年に、プログラムは6つの州の27県に拡大されました。肥料80トンと改良種子20トンが現場実証プログラムで配布され、6つの州でPTP投入資材融資口座が開設されました。村レベルで行われた女性向け栄養研修でQPMの普及が進められ、また畜産水産省との間で、養鶏業者や小型反すう動物の畜産業者とQPMの栽培農家を結び付けるための話し合いも行われました。プログラムの終了までには、1万ヘクタールでQPMが栽培されていました。

2002年以降、SG2000ギニアは、それまでの5年間に達成された成果を確固たるものとし、本プログラム活動を国家機関や他のNGO内にさらに統合しました。能力構築は、SG2000ギニア・プログラムの不可欠な一部でした。研修と技術支援は、農業機関の強化とあわせて、SG2000ギニアの運営をギニアに移管するうえで必要不可欠であると考えられていました。緊密な協力関係が、ギニアの研究センター4カ所における改良普及と研究、農業学校3校、ギニアの代表的農業大学であるファラナ大学との間で築かれました。こうした融合・能力構築の取り組みにより、SG2000ギニアが終了しても、主要活動が継続されるよう担保しました。

主な成果:

WARDAの科学者はコンテ大統領に対して、WARDAがアフリカ米とアジア米を交配して開発した新しい品種(ネリカ)を導入すれば、ギニアにおける天水稲作(陸稲)の生産性を大幅に拡大できると説得しました。ギニアではコメの輸入量が増加しており、わずかな外貨準備金のうち、国民が好む食糧であるコメを十分に確保するために使用される額が増加していました。政府は、この輸入傾向の逆転を図ろうとしました。WARDAは、国内の研究機関で試験され、ギニアの陸稲栽培条件に適していて、消費者にも受け入れられることが証明された数種類のネリカ品種について、相当量の原種種子を提供しました。

photo

「国際コメ年」の式典に参加した谷津義男氏(元農林水産大臣)、藤村氏(UNDPニューヨーク)、Jean Paul Saar氏(ギニア農業畜産大臣

政府のMOAは、ネリカを推進するための改良普及キャンペーンを組織し、SG2000ギニアは、このキャンペーンで重要な役割を担いました。2003年には、零細農家は約6万ヘクタールでネリカを栽培するに至り、コメの生産量は、1996年から2003年までに約25万トン増加しました。1995年まで、ギニアは毎年コメを約30万トン輸入していましたが、農業改良プログラムの結果、輸入量は次第に減少し、1997年には20万トンに、1998年には15万トンに低下しました。この減少は、特に当時の深刻な難民問題を考えれば、大きな成果です。先行きが明るいと思われたギニアのコメ輸入の減少傾向は、2001年に大きく反転し、輸入量は28万3,000トンに達しました。この反転は、リベリアやシエラレオネとの不安定な国境情勢のために、数千人の農民が土地を追われ、農地を放棄したことなど、ギニア国内での緊張拡大によるものです。カンカン州の大規模な洪水など、全国的な災害も大きな影響を与えました。SG2000が支援するMOAのコメのキャンペーンは継続され、SG2000プログラムの最終年度である2004年には、輸入量が10万トン以下に減少しました。

トウモロコシにおいては、1997年から2003年まで改良品種が導入され、作物管理に関する多くの研修が行われましたが、生産への持続的な効果はあまりありませんでした。

top of page